2016年7月3日日曜日

貯金を持っているのは誰?平均貯蓄額が1200万円だって?

しばらく前、麻生大臣の発言がニュースになりました。

麻生太郎氏「90歳で老後心配、いつまで生きてるつもりだ」

【炎上】麻生太郎副首相の発言に批判殺到!麻生氏「お前いつまで生きているつもりだ」*老人に対して
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-12078.html

ご本人の釈明では、「1700兆円を超える個人金融資産があるのに消費が伸びていない」という持論をもとに、
  • 高齢の老人かお金を溜め込んでいるのが消費が伸びない原因
  • この人達がお金を使えば、経済は好転する
という意味だそうです。

こんなニュースもあります。

日本人の平均貯蓄額1209万円は本当か 隠されている部分とは

金融広報中央委員会が2015年11月5日、2人以上の世帯を対象とした「家計の金融行動に関する世論調査」を公表しました。
調査の結果、金融資産の保有額は平均1,209万円。なんと2014年より27万円増という内容でした。
この記事では、「中央値」の値もあげて、より詳細に解説してありますが、まだ今ひとつ釈然としません。
このニュースの元データは、Web上に公表されています。最新のものは
総務省統計局ホーム > 統計データ > 家計調査 > 家計調査(貯蓄・負債編) 調査結果
http://www.stat.go.jp/data/sav/1.htm
平成27年(2015年)平均結果速報 (平成28年5月17日公表)
ここに挙げられているデータを見てみます。
まず、ざっくりと解説してある記事を見てみます。
貯蓄現在高の分布を示した図です。この分布の上に、平均値と中央値が示してあります。
 
これを見ると、平均値より中央値の方が値が低く、より生活実感に近いものとなっています。
しかし、このグラフの注に気になることがかいてあります。(赤線部分)
  • 1000万円以上の各階級の度数は、階級の間隔が標準級間隔より広いため、縦軸目盛りとは一致しない。
エッと思ってよく見ると、”4000万円以上”の度数は7.2なのにグラフ上指し示している度数は0.5付近です。左側の”3000万円以上〜4000万円未満”の度数4.2より低くなっています。
このグラフ、変でしょ。
テストでこんなグラフを書いたら、間違いなくダメでしょう。
横軸の間隔を均等にして、度数を縦軸に一致させてみます。
おっと、グラフの印象が随分変わってしまいました。
1000万円以上貯蓄している世帯の割合がかなり多い。
この人達が、麻生大臣の言う「お金を溜め込んでいて消費に回さない老人」なのでしょうか?
このデータをもとに、各階級の貯蓄金額の値と度数をかけて、”各階級の持つ金融資産の割合”を出してみます。
貯蓄金額は各階級の中央値を用いました。400〜500万円の場合、450万円です。
4000万円以上の階級については中央値を用いることができないので、甘い試算になりますが4000万円を用います。
おおっと!というグラフになってしまいました。

この二つのグラフから見ると、2000万円以上の貯蓄をしている人たち(29.1%)で、全体の貯蓄額の大半(66.0%)を占めていることがわかります。

実際には、貯蓄額に最も影響を及ぼしている4000万円以上の階級の人たち(12.1%)を、最低値の4000万円で代表させているので、この階級の占める割合(33.1%)はさらに上がるでしょう。

日本の社会が「一億総中流」などと言われていた時代とはかけ離れてきていて、富の偏在化が進んでいるようです。

データは、さらに詳しいものがありますので、もう少し分析を進めてみようと思います。