2016年7月9日土曜日

たった「1億分の1」の票では、結果は変わらないと思っているあなたへ

参議院選挙も、明日、7月10日(日)が投票日になりました。

NHKなど、本日はすっかりおとなしくなり、選挙関係の番組など全くありません。
ワイドショーも、昨日から「石田純一氏の都知事選出馬」ばかりです。

いや、そこ違うでしょ。
今、一番国民が注目しないといけない、最も注目してほしい、よく知らないといけない問題は、明日の参議院選です。

今回の参議院選は、3年に一度定期的に行われるもので、任期が6年の参議院議員(参議院には『解散』はありません)の半分を改選するものです。
つまり、今回改選されるのは、6年前の参議院選挙で当選した参議院議員を選び直すものです。

つまり、今回の参議院選挙の結果では、政権交代はありません。政権交代=総理大臣の選び直しは衆議院で行われます。今回の選挙には関係ありません。

では、今回の選挙にあまり大きな意味はないのか?つまり、大した争点はないのか?ということになります。
「大した争点がないのなら、選挙に行っても仕方ないな」
そう多くの人が思って(思わされて)いると思います。
TVでの党首討論はろくにないし、ニュースにも取り上げられない、特別番組なんか、どこの放送局も作らない。
そんな状況で、TVに流れるのは「安倍総理の『アベノミクス』を進めます」という政党CM。

学校教育で、「情報は自分で集めて、それを判断する」なんてことは学んでいませんから、多くの人はマスメディアから流れてくる情報を漫然と聞き流して、なんとなく過ごしているだけでしょう。

今回の参議院選の結果で大きく変わることが一つあります。
というか、これしかありません。
それは、「改憲勢力が参議院でも3分の2の議席を獲得するか」どうかです。

今、衆議院では「改憲勢力が3分の2」を既に獲得しています。(このことを知らない人も多いでしょう)そこで、参議院でも3分の2を獲得すると、改憲勢力は『改憲の発議』を行うことができます。

この改憲の発議で行われるのは、「憲法の条文を変更すること」です。

ここで行われた憲法の条文の変更は、その後、国民投票にかけられ、投票者の過半数が賛成したら、憲法の条文が変更されます。

この時、どのように憲法の条文が変更されるかは、その時の衆議院・参議院で最も多くの議席を持つ党の意見に大きく左右されるでしょう。

憲法の条文は、日本国の最高法規であり、ものすごく影響の大きいものです。

自民党は、自民党の「改憲草案」をHPに出しています。これをまとめたのは、現在の安倍総理を中心とする人達です。

この「自民党の改憲草案」の問題点は、Webにてたくさんの解説記事がありますので、皆さんに調べて欲しいと思います。

で、今回の本論ですが、
「そのような重大な意味を持つ参議院選挙だけど、自分の一票なんて、どうせ一億の国民の中の一票で、投票してもしなくても結果に影響はない」
と思っている人への言葉です。

国政選挙における年代別投票率について

http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/

ここを見ると、日本の有権者数は約9000万人。
1億分の1→9千万分の1
投票率が65%程度で、投票者数は約5850万人。
1億分の1→9千万分の1→5850万の1
もし、あなたが20〜24歳だとすると、その年代の投票者は計算から約310万人。あなたの一票は、あなたの年代の人たちの意見を国政に届けることだからです。
1億分の1→9千万分の1→5850万の1→310万の1
ここまでで、すでにあなたの一票の価値は、30倍になることがわかります。

さて、これ以上に票の価値を高める方法はあるのでしょうか?
あります。というか、与党は、これまでその方法で自分たちの票の力を強めてきたのです。

友人に、創価学会に入っている人がいます。彼は、選挙前になると、自分の知人(電話番号を知っている人)にはこまめに、「今度の選挙は、ぜひ○○さんにお願いします」と電話をしてきます。

これが、公明党が自民党と連立を組んで政権与党の中にいる理由です。「公明党が選挙に強い」と言われる理由の一つなのです。

あなたが、あなたの意見に賛同して選挙に行こうと20人に声をかけたら、10人くらい行ってくれるかもしれません。その場合、あなたの票の価値は
1億分の1→9千万分の1→5850万の1→310万の1→30万の1
おおっと、最初に考えていたより、300倍も価値が上がってしまった!

民主主義や、選挙といったものは、本来こういうものです。

同じ政治的思考を持った人が集まって「政党」を作ります。その政党が中心になって、議会を運営していきます。

政党の意見の前に、有権者の意思があるのです。

どうか「どの政党を選べば良いのかわからない」という前に、その政党が何を言っているかを聞いてください。

もう、投票日は明日です。
こんなブログ記事を書くのには、遅すぎるかもしれませんが、この記事を読んで、一人でも投票に行って貰えば嬉しいと思って書いておきます。

最後に私の選挙啓発ポスターを貼っておきます。
「NO VOTE, NO VOICE!
 NO VOTE, NO POWER!
 NO VOTE, NO RIGHT!」
「投票なくして、声は届かない。
 投票なくして、国を動かす力はない。
 投票なくして、自分の権利は守れない」




2016年7月3日日曜日

貯金を持っているのは誰?平均貯蓄額が1200万円だって?

しばらく前、麻生大臣の発言がニュースになりました。

麻生太郎氏「90歳で老後心配、いつまで生きてるつもりだ」

【炎上】麻生太郎副首相の発言に批判殺到!麻生氏「お前いつまで生きているつもりだ」*老人に対して
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-12078.html

ご本人の釈明では、「1700兆円を超える個人金融資産があるのに消費が伸びていない」という持論をもとに、
  • 高齢の老人かお金を溜め込んでいるのが消費が伸びない原因
  • この人達がお金を使えば、経済は好転する
という意味だそうです。

こんなニュースもあります。

日本人の平均貯蓄額1209万円は本当か 隠されている部分とは

金融広報中央委員会が2015年11月5日、2人以上の世帯を対象とした「家計の金融行動に関する世論調査」を公表しました。
調査の結果、金融資産の保有額は平均1,209万円。なんと2014年より27万円増という内容でした。
この記事では、「中央値」の値もあげて、より詳細に解説してありますが、まだ今ひとつ釈然としません。
このニュースの元データは、Web上に公表されています。最新のものは
総務省統計局ホーム > 統計データ > 家計調査 > 家計調査(貯蓄・負債編) 調査結果
http://www.stat.go.jp/data/sav/1.htm
平成27年(2015年)平均結果速報 (平成28年5月17日公表)
ここに挙げられているデータを見てみます。
まず、ざっくりと解説してある記事を見てみます。
貯蓄現在高の分布を示した図です。この分布の上に、平均値と中央値が示してあります。
 
これを見ると、平均値より中央値の方が値が低く、より生活実感に近いものとなっています。
しかし、このグラフの注に気になることがかいてあります。(赤線部分)
  • 1000万円以上の各階級の度数は、階級の間隔が標準級間隔より広いため、縦軸目盛りとは一致しない。
エッと思ってよく見ると、”4000万円以上”の度数は7.2なのにグラフ上指し示している度数は0.5付近です。左側の”3000万円以上〜4000万円未満”の度数4.2より低くなっています。
このグラフ、変でしょ。
テストでこんなグラフを書いたら、間違いなくダメでしょう。
横軸の間隔を均等にして、度数を縦軸に一致させてみます。
おっと、グラフの印象が随分変わってしまいました。
1000万円以上貯蓄している世帯の割合がかなり多い。
この人達が、麻生大臣の言う「お金を溜め込んでいて消費に回さない老人」なのでしょうか?
このデータをもとに、各階級の貯蓄金額の値と度数をかけて、”各階級の持つ金融資産の割合”を出してみます。
貯蓄金額は各階級の中央値を用いました。400〜500万円の場合、450万円です。
4000万円以上の階級については中央値を用いることができないので、甘い試算になりますが4000万円を用います。
おおっと!というグラフになってしまいました。

この二つのグラフから見ると、2000万円以上の貯蓄をしている人たち(29.1%)で、全体の貯蓄額の大半(66.0%)を占めていることがわかります。

実際には、貯蓄額に最も影響を及ぼしている4000万円以上の階級の人たち(12.1%)を、最低値の4000万円で代表させているので、この階級の占める割合(33.1%)はさらに上がるでしょう。

日本の社会が「一億総中流」などと言われていた時代とはかけ離れてきていて、富の偏在化が進んでいるようです。

データは、さらに詳しいものがありますので、もう少し分析を進めてみようと思います。


あえて言おう!選挙結果を決めるのは、投票しない人たちだ。

2016年の参議院選の投票日、7月10日まで一週間を切りました。

新聞やテレビのニュースでは、当落予想がひっきりなしに流され、既に選挙結果が決まったかのようです。

だけど、みなさん考えてみてください。
期日前投票は始まっていますが、投票箱は開かれていないはずです。
何より、有権者であるみなさんのほとんどが、未だ投票を行っていないはずです。
そんな状況で、選挙結果が決まっているはずなどないではありませんか。

昨日、知り合いの人と選挙の話題になった時に、その人は、
「都知事選も結果が決まったそうだね」
などというのです。
どうも、与党内の駆け引きで都知事選の立候補者が決定したような記事を見て、そこで”次の都知事はこの人だ”論調に、すでに時期都知事が決まってしまったという意識になってしまったようです。

これって、どんだけ有権者の権利をないがしろにしている象徴的な出来事だと思いませんか?

ひっきりなしの選挙の当落予想。
開票が始まっても、1分も経たないうちに「当確」を出してしまう選挙速報。

こんなものが、有権者の投票意識を減らし、政治に参加する意欲をなくしてしまっているように感じるのは、私だけでしょうか?

選挙って、投票結果が全てなんでしょうか?

確かに、「投票によって勝ち負けを決め、勝った人が議員になる」それが選挙というものだということは間違いありません。だけど、それが全てなのでしょうか?

このことを考えさせてくれたのが、前回・前々回の都知事選にて、宇都宮けんじ候補の選挙を手伝った時です。

そこでは、多くのボランティアが自主的に選挙活動を手伝い、選挙公約も多くの人の意見を聞いて次々に更新されていきました。

希望のまち東京をつくる会
http://utsunomiyakenji.com/

その過程で、多くの人が東京都の現状を考え、どんな政策が必要なのか真剣に考えました。
結果的に当選はなりませんでしたが、100万人の有権者の方が支持の一票を投じました。

この過程こそが、民主主義だと思うのです。

「どうせ負けるから、私の一票が加わっても何も変わらないから、投票に行く必要ないだろう。」

そんな有権者が、有権者の半分近く。
20代に至っては、7割の人が投票しないというのが現実です。


このグラフは、直近2回の国政選挙、つまり現在の国会議員を決めた選挙の投票率です。
出典 総務省:国政選挙における年代別投票率について
http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/

これを見てどう思いますか?

話題となった、英国のEU離脱を争点にした国民投票。
結果は約2%の得票率の差でEU離脱を決定しました。
若者になるほど、EU離脱に反対していたことは選挙結果の分析から明らかにされています。
現在、EU離脱反対の運動が行われているそうです。
しかし、一度決まったことを覆すのは大変です。
この国民投票で、20代の若者の3割ほどが、事前の有権者登録をしていなかった、結果的に投票していない事実があります。
この人たちが有権者登録をして投票していたら…。

こんな「たられば」は、いくら考えようが現実を変える力にはなりません。

現実を変えるのは、一人ひとりが持っている一票であり、その一票は、たとえ投票した候補が落選しても無意味ではありません。
その候補の意見に賛成した有権者がこれだけ居るという意思表明なのです。


これは、2012年フランス大統領選啓発ポスター(日本語は私が追加しました)です。

今回の参議院選挙から「18歳以上のすべての国民」が投票できるようになりましたが、このようになったのは戦後のことで、たった70年程度しか経っていません。
これは、当たり前のことではないのです。

あなたの一票は、あなたの意思を示すための一票です。
結果が全てではありません。
その一票を投じるのに、選挙の意味について考えることが、政治参加への第一歩であり、政治とあなたを繋ぐ第一ステップです。
その繰り返しが「民主主義」という、ものすごく面倒な、ものすごく壊れやすい、しかし、長い試行錯誤の歴史の結果、現在、目指している道なのです。

追加で、上のポスターにインスパイアされて作成したものを追加しておきます。


2016年参議院選挙の投票日は、7月10日。投票時間は、地区によってサクッと切り上げられることが多くなっていますので、ご確認を。
投票日に用事がある人は、ぜひ期日前投票を。場所と時間は、お住いの役所にお問い合わせを。