2012年6月24日日曜日

どさくさに紛れて行われた原子力基本法の改正の本当の危険(後編)

結果をすぐさま知りたい人は、一気に最後に行って下さい!


[原子力規制委員会設置法案] (衆議院)


この法案から、原子力基本法に関する部分を抜き出します。
今回、この法案のそれ以外の部分の問題点については、置いておきます。
決して何も問題が無いと言う事ではありません。

問題の部分は、附則の十二条にあります。

(原子力基本法の一部改正)
第十二条 原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)の一部を次のように改正する。
  
第一条中「利用」の下に「(以下「原子力利用」という。)」を加える。
  第二条中「原子力の研究、開発及び利用」を「原子力利用」に改め、同条に次の一項を加える。
 2 前項の安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行うものとする。
  第一章の次に次の二章を加える。
    第一章の二 原子力規制委員会
 第三条の二 原子力利用における安全の確保を図るため、別に法律で定めるところにより、環境省の外局として、原子力規制委員会を置く。
    第一章の三 原子力防災会議
  (設置)
 第三条の三 内閣に、原子力防災会議(以下「会議」という。)を置く。
  (所掌事務)
 第三条の四 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
  一 原子力災害対策指針(原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第六条の二第一項に規定する原子力災害対策指針をいう。)に基づく施策の実施の推進その他の原子力事故(原子炉の運転等(原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)第二条第一項に規定する原子炉の運転等をいう。)に起因する事故をいう。次号において同じ。)が発生した場合に備えた政府の総合的な取組を確保するための施策の実施の推進
  二 原子力事故が発生した場合において多数の関係者による長期にわたる総合的な取組が必要となる施策の実施の推進
  (組織)
 第三条の五 会議は、議長、副議長及び議員をもつて組織する。
 2 議長は、内閣総理大臣をもつて充てる。
 3 副議長は、内閣官房長官、環境大臣、内閣官房長官及び環境大臣以外の国務大臣のうちから内閣総理大臣が指名する者並びに原子力規制委員会委員長をもつて充てる。
 4 議員は、次に掲げる者をもつて充てる。
  一 議長及び副議長以外の全ての国務大臣並びに内閣危機管理監
  二 内閣官房副長官、環境副大臣若しくは関係府省の副大臣、環境大臣政務官若しくは関係府省の大臣政務官又は国務大臣以外の関係行政機関の長のうちから、内閣総理大臣が任命する者
  (事務局)
 第三条の六 会議に、その事務を処理させるため、事務局を置く。
 2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。
 3 事務局長は、環境大臣をもつて充てる。
 4 事務局長は、議長の命を受け、命を受けた内閣官房副長官補及び内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四条第三項に規定する事務を分担管理する大臣たる内閣総理大臣の協力を得て、局務を掌理する。
  (政令への委任)
 第三条の七 この法律に定めるもののほか、会議に関し必要な事項は、政令で定める。
  第二章の章名を次のように改める。
    第二章 原子力委員会
  第四条中「原子力の研究、開発及び利用」を「原子力利用」に改め、「及び原子力安全委員会」を削る。
  第五条第一項中「原子力の研究、開発及び利用」を「原子力利用」に、「安全の確保のための規制の実施に関する事項」を「安全の確保のうちその実施に関するもの」に改め、同条第二項を削る。
  第六条中「及び原子力安全委員会」を削る。
 (原子力委員会及び原子力安全委員会設置法の一部改正)
第十三条 原子力委員会及び原子力安全委員会設置法(昭和三十年法律第百八十八号)の一部を次のように改正する。
  題名を次のように改める。
    原子力委員会設置法
  目次を次のように改める。
 目次
  第一章 総則(第一条)
  第二章 所掌事務及び組織(第二条―第十二条)
  第三章 削除
  第四章 委員会と関係行政機関等との関係(第二十三条―第二十六条)
  第五章 補則(第二十七条)
  附則
  第一条中「及び原子力安全委員会」を「(以下「委員会」という。)」に改める。
  第二章の章名を次のように改める。
    第二章 所掌事務及び組織
  第二条中「原子力委員会(以下この章において「委員会」という。)」を「委員会」に改め、「掲げる事項」の下に「(安全の確保のうちその実施に関するものを除く。)」を加え、同条第四号及び第八号中「(原子力安全委員会の所掌に属するものを除く。)」を削る。
  第三章を次のように改める。
    第三章 削除
 第十三条から第二十二条まで 削除
  第四章の章名を次のように改める。
    第四章 委員会と関係行政機関等との関係
  第二十四条中「原子力委員会又は原子力安全委員会」を「委員会」に、「第二条各号又は第十三条第一項各号に掲げる」を「その」に改め、「、それぞれ」を削る。
  第二十五条中「原子力委員会又は原子力安全委員会」を「委員会」に改める。
  第二十六条を削り、第四章中第二十五条の次に次の一条を加える。
  (原子力規制委員会への通知等)
 第二十六条 委員会は、第二条各号に掲げる事項のうち、原子力利用における安全の確保に関係がある事項について企画し、又は審議したときは、その旨及び内容を原子力規制委員会に通知しなければならない。
 2 委員会は、第二条各号に掲げる事項のうち、原子力利用における安全の確保に関係がある事項について決定しようとするときは、あらかじめ、原子力規制委員会の意見を聴かなければならない。
  第二十七条中「原子力委員会及び原子力安全委員会」を「委員会」に改める。
原子力安全委員会に変わって作られる原子力規制委員会は、原子力基本法によって法的に定義されるから、原子力委員会の設立のためには、原子力基本法の条文の中で「原子力安全委員会」の定義の削除と「原子力規制委員会」の定義を行わなければいけません。
これは、当然の作業です。

これに関連する事項は、上記の附則十二条中の小文字の部分です。
本来、今回の原子力規制委員会の設置には、この部分だけの変更で必要充分なのです。
では、残りの上記附則十二条の中の太字の部分は、なぜあるのかが問題です。

この部分によって変更されるのは、原子力基本法第一条と第二条です。
変更前後で、どうなるでしょうか?

【改正前】
第一章 総則
(目的)
第一条  この法律は、原子力の研究、開発及び利用を推進することによつて、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図り、もつて人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的とする。
(基本方針)
第二条  原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。

【改正後】
第一章 総則
(目的)
第一条  この法律は、原子力の研究、開発及び利用(以下「原子力利用」という。)を推進することによつて、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図り、もつて人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的とする。
(基本方針)
第二条  原子力利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。
2 前項の安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行うものとする。

法律とは恐ろしいもので、ほんの僅かな文言の違いにより大きな影響を及ぼします。
特に、第二条は原子力基本法の基本方針を表す部分なのです。
原子力の基本原則である「民主・自主・公開」の3原則を原子力政策に取り入れているのがこの第二条なのですが、「その成果を公開し」と言う文言によって、成果以前の検討・研究経過の部分の公開義務が削除されてしまっています。
これが、原子力ムラの隠蔽体質を醸成してきたとも言えるでしょう。

この事を踏まえて、改正部分を見てみます。
原子力の研究、開発及び利用(以下「原子力利用」という。)
この部分は、言葉の言い換えだけで特に問題はありません。
問題となるのは、今回付け加えられた第2項の部分です。
2 前項の安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行うものとする。
「安全の確保を旨として」の部分は、1974年9月1日に発生した原子力船「むつ」の放射線漏れ事故に際して、原子力安全委員会の設置とともに挿入された文言なのは、前回のエントリーで記しました。
今回の改正により、この「安全の確保」の補足説明を行っています。
では、何をもって「安全の確保」を行おうと言うのでしょうか?
文を分かりやすくするために、改行と字下げをします。
前項の安全の確保については、
 確立された国際的な基準を踏まえ
  国民の生命健康及び財産の保護
  環境の保全並びに
  我が国の安全保障に資すること
を目的として、
行うものとする。
ここで気になるのが、上記の太字の部分です。
「確立された国際的な基準を踏まえ」と「我が国の安全保障に資する」この2つの文言については、どこにも全く定義されていません。
つまり、この2つの文言は、それを運用する人の都合の良いように解釈出来ると言う事です。ここに、大きな危険性が秘められています。

この事に関して、参議院の環境委員会でも質疑が行われています。
2:11:00 ころに共産党 市田忠義 参議院議員から「我が国の安全保障に資する事」に関して問いただされています。
それに対して、細野環境大臣(原発事故の収束及び再発防止担当、内閣府特命担当大臣(原子力行政)兼務)が、次の事を答弁しています。
・この文言は自民党案から取り入れた事。
・自民党からは「セーフガード」のためだと説明を受け、それならばと言う事で入れた事。
この事に関しては、新聞などでも問題にされています。
「原子力の憲法」こっそり変更 東京新聞 2012年6月21日 朝刊 予備

前回の投稿で述べたように、「全くと言えるほど」討論が行われる事をしなかったのにわざわざこの第2項を付け加えたのは、「セーフガードのためだけ」なのでしょうか?
そうであれば、このような文言は必要ないはずです。

この条文は、「安全の確保」の方法として次の事項を規定しているのです。
1)「確立された国際的な基準」を踏まえて、「国民の生命、健康及び財産の保護」を行う事。
2)「確立された国際的な基準」を踏まえて、「環境の保全」を行う事。
3)「確立された国際的な基準」を踏まえて、「我が国の安全保障に資する」事。


これらが日本の原子力政策の基本となる法律に追加される事は、とても大きな影響がある事を知らなければいけません。


1)「確立された国際的な基準」を踏まえて、「国民の生命、健康及び財産の保護」を行う事。
国民の生命、健康に関して現在大きな問題となっているのは、低線量被爆と内部被爆です。この事に関して、ICRP勧告以外は「確立された国際的な基準」として認められないとしたらどうなるでしょうか?


2)「確立された国際的な基準」を踏まえて、「環境の保全」を行う事。
 原子炉の運転、放射性廃棄物、廃炉の際の基準などがIAEA基準が全てに優先し、日本国の実情に即した基準を決められないとしたらどうなるでしょうか?


3)「確立された国際的な基準」を踏まえて、「我が国の安全保障に資する」事。
 「我が国の安全保障」に対して大きな問題となってくるのが、既に日本に75トンにもなるプルトニウムの備蓄です。
 日米原子力協定(1988年締結)により、日本はプルトニウムの保有と再処理が認められています。しかし、この協定の有効期限は30年であり、2018年には期限を迎えます。自動延長規定に関わらず、この期限に際して日本の現状(再処理工場・高速増殖炉の稼働状況から核燃料サイクルは実現不可能)を鑑みて国民的な議論が必要でしょう。
 また、この核燃料サイクルを進めている日本原子力研究開発機構(2005年に日本原子力研究所 (JAERI、略称:原研) と核燃料サイクル開発機構(JNC、略称:サイクル機構、旧動力炉・核燃料開発事業団 = 略称・動燃)を統合再編して設立)は、独立行政法人日本原子力研究開発機構法により規定されていますが、機構の目的を定めた第四条は原子力基本法第二条の基本方針に基づいています。

(機構の目的)
第四条 独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下「機構」という。)は、原子力基本法第二条に規定する基本方針に基づき、原子力に関する基礎的研究及び応用の研究並びに核燃料サイクルを確立するための高速増殖炉及びこれに必要な核燃料物質の開発並びに核燃料物質の再処理に関する技術及び高レベル放射性廃棄物の処分等に関する技術の開発を総合的、計画的かつ効率的に行うとともに、これらの成果の普及等を行い、もって人類社会の福祉及び国民生活の水準向上に資する原子力の研究、開発及び利用の促進に寄与することを目的とする。
 原子力基本法第二条に「確立された国債基準」を踏まえて「我が国の安全保障に資する」と加える事によって、核燃料サイクルの存続を正当化することができる可能性があります。
自民党から出されたこの法案に関しては、以前指摘した記事の核燃料サイクルを保護するために情報を隠蔽したとされる人物が大きく関与しているとしか考えられません。
原子力規制庁の人事に危険な人物
http://mousou-meisou.blogspot.jp/2012/05/blog-post_30.html
経済産業大臣官房審議官(原子力安全規制改革担当) 安井 正也 (やすい まさや)報道によれば、安井審議官は、経産省原子力政策課長を務めていた04年4月、使用済み核燃料を再処理せず、そのまま捨てる「直接処分」のコスト試算の隠蔽を部下に指示しました。

原子力基本法は、原子力政策を左右する法律です。
なんとしてでも、今回の改悪を排除し、さらに福島原発事故を踏まえた原子力基本法に作り替えましょう。


【改正私案】
第一章 総則
(目的)
第一条  この法律は、原子力の研究、開発及び利用(以下「原子力利用」という。)に際して現在及び将来における国民の健康と安全を確保し、学術の進歩と産業の振興だけに捉われず、もつて人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的とする。
(基本方針)
第二条  原子力利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その経過及び成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。
2 前項の安全の確保については、最新の国際的知見を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに国民の安全に資することを目的として、行うものとする。

改正私案に関しては、法律的に全くの素人ですのでいくらでも良い案をご提示ください。


2012年6月21日木曜日

どさくさに紛れて行われた原子力基本法の改正の本当の危険(前編)

6月19日(火)の夜、Twitterで金子勝氏(@masaru_kaneko)のTweetを見かけて確認してみました。
https://twitter.com/masaru_kaneko/status/215230968531910658

問題の法案がこちらです。
[原子力規制委員会設置法案] (衆議院)


この法案は、新たに設けられる原子力規制委員会の設置のための法案です。
原子力規制委員会は、原子力安全委員会を廃して環境省の外局として設置されます。
この設置のために、原子力基本法の該当部分を改正する必要があります。

この法案の目的である「原子力規制委員会」自体は、数ヶ月前から与野党で断続的に協議されていました。「原子力規制庁」になるか「原子力規制委員会」になるか、多くの国民にとっては民主党と自民党・公明党の綱引きの材料にしか映らなかったでしょう。

しかし、綱引きが収まったと見るや6月15日(金)に、急転直下「原子力規制委員会設置法案」は、民主・自民・公明の3党から環境委員会に提出され、議院運営委員会にて衆議院本会議への上程が決まり、その午後には衆議院にて承認されました。

週が明けて6月20日(火)には、参議院の環境委員会の3時間の審議にて可決し、そのまま参議院に送られ採決、可決してしまい、ここに原子力基本法が殆どの国民に知られないまま、衆参2日間で改正されてしまったのです。
資料1)参照

原子力基本法についておさらいしてみます。

原子力基本法が作られたのは、昭和30年12月19日です。
これによって、原子力爆弾を投下された日本は、「原子力の平和利用」の名の下に原子力発電の研究・開発・普及への道を突き進んでいく事になります。

原子力基本法での精神としての「民主・自主・公開」の3原則は、日本国の法規としてはどこにも定められていません。この3原則は、昭和29年の日本学術会議第39委員会委員会の決議の精神が取り入れられています。

1)原子力の研究,開発および利用の情報は完全に公開され,国民に周知されること。(公開)
2)原子力研究は民主的な運営によつてなされ,能力あるすべての研究者の十分な協力を求めること。(民主)
3)原子力の研究と利用は,自主性ある運営のもとに行われるべきこと。(自主)
この原子力基本法は、日本国が原子力を用いていく上でのもっとも基本的な法律で、「原子力に関する憲法」とも言えます。

上記3原則は、原子力基本法第2条(基本方針)に、表現されています。

この原子力基本法第2条は昭和53年に改正されています。
これは1974年9月1日に発生した原子力船「むつ」の放射線漏れを機に1978年に設置された原子力安全委員会のためです。


原子力基本法等の一部を改正する法律
昭和53・7・5・法律 86号  
改正昭和52・11・25・法律 80号--(施行=昭53年7月5日)

昭和53年版 原子力白書

第1章 原子力委員会の歩みと新休制の発足
3 原子力基本法等の改正と新体制の発足



これは「原子力基本法等の一部改正法案」として行われ、1年以上の審議が行われています。
この時「安全の確保を旨として」としての文言が追加され現在に至っていました。


これに比べると、今回は「原子力規制委員会設置法案」の付則の一部として取り扱われています。
これは、法律の重要性と比べると、明らかに間違っていますし、原子力基本法の改正を隠すためとしか言えません。


「原子力の憲法」こっそり変更
東京新聞 2012年6月21日 朝刊

二十日に成立した原子力規制委員会設置法の付則で、「原子力の憲法」ともいわれる原子力基本法の基本方針が変更された。基本方針の変更は三十四年ぶり。法案は衆院を通過するまで国会のホームページに掲載されておらず、国民の目に触れない形で、ほとんど議論もなく重大な変更が行われていた。
追加された「安全保障に資する」の部分は閣議決定された政府の法案にはなかったが、修正協議で自民党が入れるように主張。民主党が受け入れた。各党関係者によると、異論はなかったという。
この原子力基本法の基本方針の変更の目的とそのもたらす影響は、後編に述べます。
これには、【原子力規制庁の人事に危険な人物】の記事が大きく関わっています。
http://mousou-meisou.blogspot.jp/2012/05/blog-post_30.html

追記)
会期末のドタバタの中で成立したこの法案ですが、その衝撃が消えないまま、本日、衆議院の会期が79日延長する事が議決されました。
この、あまりに非常識なスケジュールの強硬は、国民の議論を行わせる隙を与えないためとしか考えられません。
延長された国会の中で、この原子力基本法第2条に加えられた変更を、修正する事は出来ないでしょうか?

衆議院 会期79日間延長議決
 NHK News Web 6月21日 13時37分
午後開かれた衆議院本会議で採決が行われた結果、民主党、みんなの党、国民新党、新党大地・真民主の賛成多数で、会期を9月8日まで79日間延長することが決まりました。
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資料1)原子力規制委員会設置法案の起草から衆議院議決の経緯

委員会ニュース 第180回国会6月15日環境委員会ニュース

2 原子力規制委員会設置法案起草の件
・近藤昭一君外5名(民主、自民、公明)から、起草案を成案とし委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出され、提出者近藤昭一君(民主)から趣旨説明を聴取しました。
・細野国務大臣(原発事故の収束及び再発防止担当)並びに提出者近藤昭一君(民主)、大谷信盛君(民主)、横山北斗君(民主)、田中和徳君(自民)、吉野正芳君(自民)及び江田康幸君(公明)に対し発言がありました。
・委員外議員(高木美智代君(公明)、吉井英勝君(共産)、服部良一君(社民)、柿澤未途君(みんな)、松木けんこう君(大地))の発言について協議決定しました。
・採決を行った結果、賛成多数をもって起草案を成案とし、これを委員会提出の法律案とすることに決しました。
(賛成-民主、自民、公明、きづな 反対-佐藤ゆうこ君(無))

会議録 第180回国会 議院運営委員会 第25号(平成24年6月15日(金曜日))
平成二十四年六月十五日(金曜日)
    午後零時十六分開議
 出席委員
   委員長 小平 忠正君
   理事 松野 頼久君 理事 山井 和則君
   理事 笠  浩史君 理事 糸川 正晃君
   理事 鷲尾英一郎君 理事 橋本 清仁君
   理事 佐藤  勉君 理事 高木  毅君
   理事 遠藤 乙彦君
      相原 史乃君    太田 和美君
      坂口 岳洋君    浜本  宏君
      三宅 雪子君    水野 智彦君
      森山 浩行君    伊東 良孝君
      小泉進次郎君    齋藤  健君
      塩崎 恭久君    佐々木憲昭君
      渡辺浩一郎君    服部 良一君
      中島 正純君
    …………………………………
   議長           横路 孝弘君
   副議長          衛藤征士郎君
   事務総長         鬼塚  誠君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十五日
 辞任         補欠選任
  川内 博史君     三宅 雪子君
同日
 辞任         補欠選任
  三宅 雪子君     川内 博史君
    ―――――――――――――


【以下抜粋】
 次に、本日環境委員会から提出された原子力規制委員会設置法案、同委員会の審査を終了した地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所並びに産業保安監督部の支部並びに産業保安監督署の設置に関し承認を求めるの件(承認第五号)の両案件について、委員長から緊急上程の申し出があります。

 この際、発言を求められておりますので、これを許します。佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 原子力規制委員会設置法案に対して、意見表明をいたします。

 この法案は、民主、自民、公明の三党によって緊急上程されようとしておりますが、断固反対です。

 法案は、昨夜十九時の時点で、でき上がっていなかったのであります。示されたのは、A4の紙一枚の、未定稿の要綱のみであります。きょうになって法案が示され、それを、まともな審議もせず、どうして採択できるでしょうか。しかも、本会議での討論も行わないなど、到底認められません。

 もともと、法案は、環境省の所管を超える広範な領域を含む原子力行政全般にかかわるものであり、全ての政党が参加し、充実した審議を行うにふさわしい委員会に付託すべきでありました。本会議では、重要広範議案として扱われ、総理も出席して質疑が行われたのであります。

 ところが、三党は、特定の範囲しか扱わない環境委員会に原子力規制委員会設置法案を付託するという暴挙を行ったのであります。

 私たちが抗議すると、与党は、議運理事会で、環境委員会に付託するかわり、審議には日本共産党、社民党、みんなの党などを常時出席させて審議を行わせ、理事会にも出席させるという言明がありました。

 しかし、審議時間は極めて短く、きょうを入れてわずか二回しか行われず、連合審査は一回だけでありました。理事会では、陪席さえ許されず、単なる傍聴扱いでありました。委員会での総理出席の審議も行われておりません。なぜ、これほど拙速な形で法案を通さなければならないのでしょうか。

 この法案には重大な問題が含まれております。

 第一は、昨年の三月十一日福島第一原発の事故原因と教訓を全面的に踏まえた法案となっていないのであります。

 特に、原子炉等規制法で、根拠も実証試験もなく、老朽原発の四十年、例外六十年制限としていたところ、本法案で、さらに、事実上、青天井とし、半永久的稼働を容認したことは、政府案を一層改悪するものであります。

 第二は、原子力規制組織について、推進と規制の分離、独立性を確保すべき規制委員会を環境省のもとに置くこととしていることであります。

 環境省は、歴史的にも、基本政策の上でも、原発推進の一翼を担ってきた官庁であり、今国会に提案している地球温暖化対策基本法案で、温室効果ガスの排出抑制のため、原発推進を条文上も明記したままであります。この削除と抜本的反省なしに、真の独立性は担保されません。

 第三に、原子力基本法を改め、原子力利用の目的について、「我が国の安全保障に資する」としたことは、いわゆる原子力平和利用三原則にも抵触するものであります。

 最後に、我が国の原発政策の根幹をなす日米原子力協定と電源三法のもとで、安全神話をつくり上げ、地域住民の反対を押し切って原発を推進してきた歴代政権の政財官学の構造そのものにメスを入れることが必要であります。原発再稼働など論外であります。

 このことを指摘し、意見表明といたします。

小平委員長 それでは、両案件は、本日の本会議において緊急上程するに賛成の諸君の挙手を求めます。

    〔賛成者挙手〕

小平委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――
【抜粋ここまで】



衆議院公報 第180回国会 衆議院公報第101号 議事経過

第180回国会 第101号
平成24年6月15日金曜日
議事経過
原子力規制委員会設置法案(環境委員長提出)
 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、産業保安監督部及び
 那覇産業保安監督事務所並びに産業保安監督部の支部並びに産業保安
 監督署の設置に関し承認を求めるの件(承認第五号)
  右第一案は委員会の審査を省略し第二の案件とともに議事日程に追
  加して両件を一括議題とするに決し、これを議題とし、環境委員長
  生方幸夫君の趣旨弁明及び審査報告の後、まず第一案を可決し、次
  に第二の案件を委員長報告のとおり承認するに決した。


6/20参院環境委員会で原子力規制委員会設置法案可決まで (Togetter)

6月20日参議院環境委員会録画 3時間38分


2012年6月14日木曜日

産經新聞が必死に削除した記事!関西経済界の醜い本音!

Googleニュースリーダーにはあるのに、どこを探しても削除されキャッシュも残ってない記事がありました。

経団連懇親会「戦犯は政府と原子力安全委員会」 歓迎の声の半面…電力不足懸念も

MSN産経ニュース - 
関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向けた手続きが進む状況に、関西の産業界からは安堵(あんど)のムードが広がり始めた。大阪市内で13日に開かれた経団連の懇談会では、企業トップから歓迎の声が寄せられた一方、「わずか2基の再稼働 ...


どこかに無いかと探してみたら、Blogに一カ所だけ転載されていました。


自然エネルギーと防災など
http://blog.murablo.jp/pai/kiji/312191.html
以下転載です。

危機感や遅い対応への批判も・経団連懇親会

テーマ:ブログ
http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/120613/wec12061322540012-n1.htm

(追記:新聞引用ここから)
関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向けた手続きが進む状況に、関西の産業界からは安堵(あんど)のムードが広がり始めた。
大阪市内で13日に開かれた経団連の懇談会では、企業トップから歓迎の声が寄せられた一方、「わずか2基の再稼働だけ」と、引き続き電力不足に危機感を募らせる意見も上がった。

 「計画停電可能性が小さくなり、みなホッとしているのではないか。今夏は何とかいけるだろう」。
帝人の長島徹会長は、こう話した。
丸紅の勝俣宣夫会長も「よく(再稼働を)決断したと評価したい。これで何とかなるのでは」と述べ、首相の再稼働の表明を評価した。

 だが、電力不足を懸念する意見も少なくない。
「2基のフル稼働までは少ししいかもしれない。乗り越えられると願いたいのが本音」と日本触媒の近藤忠夫会長。
住友金属工業の下妻博会長は「今年はともかく来年は乗り切れないだろう。自由に電気が使えない国は先進国とはいえない」と断言し、さらなる原発の再稼働を求めた。

 一方、夏本番を間近に控えるまで再稼働の見通しが立たなかった“戦犯”について、パナソニックの松下正幸副会長は「政府や原子力安全委員会が迅速に動き、数字など(で安全性)を自信を持って示すべきだった。昨夏から準備期間があったのに本当に遅い」と批判。
ロイヤルホテルの川越一相談役も政府の対応の遅さを指摘し、「再稼働を必要とするなら、イデオロギーや感情論きに、科学的な知見必要性をもっと早く国民に説明すべきだった」とした。

 さらにレンゴーの大坪清社長は大阪市の橋下徹市長の責任に言及。
「関電の筆頭株主だといって反対を大きな声で唱えたので、みんな混乱した」と断罪
「最後は(限定的な再稼働と)軌道修正したが、振り上げたこぶしをどうおろすか、苦労されたのではないか」と話していた。

(追記:新聞引用ここまで)
経済界の連中も結局外からワイワイ言うだけで、何も出来ていないではないか。

数値や安全性をいうなら、その部分は自分達が確かな情報を持っているのではないか。

それを隠して発表もしないで、いい加減なことを言うなと言いたい。

原発再稼働の遅れは、詰まるところは経済界の隠蔽体質が生んだことではないか。

みんなが集まってワイワイ言えるからと言って、言いたい放題は醜い限りだ。

大阪市長があそこまで頑張らなければ、誰も原発の安全性について把握は出来なかっただろう。

混乱させたのは経済界であって大阪市長ではない。

その点はしっかり認識すべきだろう。

経済人などと胸を張っても、結局何も出来ていないではないか。

商売にばかり熱を上げていないで、基礎研究や安全対策などに資金を提供するなど、もっとしっかりしたらどうだ。
(Blogここまで)

大阪市内で13日に行われた懇談会での様子が報告されています。
関西の大企業の本音が、赤裸々に語られてます。

ちなみに、記事に登場する「丸紅の勝俣宣夫会長」は、あの「東電の勝俣恒久元会長」と兄弟。

 【転載】狙うは廃炉ビジネス拡大 東電勝俣会長弟を重役に迎えた日立の卑しい魂胆(1)(2) by 週刊実話
http://threechords.blog134.fc2.com/blog-entry-757.html
の記事から引用しますが、(この記事も必見です!廃炉ビジネスにたかる酷い内容です
新日本製鉄元副社長・九州石油元会長の勝俣孝雄は実兄で、丸紅元社長の勝俣宣夫は実弟である。孝雄・恒久・宣夫で産業界の勝俣三兄弟として知られた(実際は5人兄弟)[6]。他の2人の兄弟は勝俣邦道日本道路公団元理事勝俣鎮夫東京大学名誉教授である。
何とも絢爛たる顔ぶれではないですか。

本来、電力が足りない場合は電力の利用を制限する契約で安い電気料を貪ってきた大企業。
大飯原発の再稼働の強硬は、それを防ぐためというのも原因の一つであろう!