2012年5月30日水曜日

原子力規制庁の人事に危険な人物

国会で原子力規制庁に関するようやく審議が始まります。
政府案の環境省下の原子力規制庁と、自公案の三条委員会の下の原子力規制庁の案が討論されるでしょう。
しかし、この原子力規制庁の作成に関する経産省に、大変な人物がいます。

経産省HP 幹部一覧に記載されています。
http://www.meti.go.jp/intro/data/kanbu_ichiranj.html

大臣官房
審議官(原子力安全規制改革担当) 安井 正也 (やすい まさや)

この経済産業省の審議官は、Wikipediaによると、次のように記載されている。

経済産業審議官(けいざいさんぎょうしんぎかん、英訳:Vice-Minister for International Affairs, Ministry of Economy, Trade and Industry)は、国家公務員の官職及び役職の一つである。
経済産業事務次官に次ぐ経済産業省における官僚のナンバー2のポストであり、いわゆる次官級審議官職の一つで経済産業省設置法に定められている「特別な職」である。2006年現在の定員は1人。

2012年の現在では3人の審議官が置かれており、原子力安全規制改革を担当する審議官、つまり原子力規制庁を作る作業をする審議官の役職についているのが、安井 正也氏である。

彼の名前は、2004年に起こった事件により知られる事になった。
この件については、次の2つのブログ及びGoogle+ページとそこに引用された毎日新聞の記事に詳しい。

【ものぐさのブログ】
安井正也 原子力安全規制改革担当審議官は適任か
2012年1月 2日 (月)
報道によれば、安井審議官は、経産省原子力政策課長を務めていた04年4月、使用済み核燃料を再処理せず、そのまま捨てる「直接処分」のコスト試算の隠蔽を部下に指示しました。
高速増殖炉「もんじゅ」を核とした「核燃料サイクル」は福島原発事故を契機に、政策転換を迫られています。この「核燃料サイクル」の一翼をになう六ヶ所村核燃料再処理工場は、97年に運転開始の予定であったが、数々のトラブルにより、08年に試験を中断しました。いわく付きの「核燃料サイクルシステム」です。
02年10月 原子力委員会やエネルギー庁の一部幹部は使用済み核燃料の受け入れを提案するロシアの外交文書を隠した。 
04年1月  再処理工場の稼動、約19兆円との試算が公表された。撤退は責任問題に発展しかねず、東電も経産省も撤退方針を出さなかった。
04年3月  社民党党首が再処理をしない場合のコストを求めたのに対し、当時のエネルギー長官は「日本には直接処分コストの試算はない」と答弁している。答弁案は安井氏が作成した。安井氏は3ヶ月前からこの試算の存在を知っていたことが、今回明らかになった。
04年5月  「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」は「直接処分」に関するコストの算出を要求していたが、安井氏はその存在を伝えなかった。安井氏の所属する原子力政策課は分科会の担当課でした。
04年6月  分科会は約19兆円を電気料金に上乗せする制度の導入案をまとめた。これにより、「国内全量再処理」が国策となった。
11年11月 経産省幹部は文書の存在を初めて知り、「ロシアへの核燃料の排出が提示でき、事業撤退への道が開けたかも知れない」と悔しがった。 

【核燃料サイクルの周りをグルグルと】
2012年01月06日

安井氏は取材に対し「(部下が試算を持ってきたことは)あったかもしれないが(隠蔽指示は)記憶にない」と話しているという。
こういうことは、証拠が多いはずなので、経産省以外の組織が厳正に調査することを望む。
どれだけ多くの国費が無駄になるか計り知れない影響があるからだ。

毎日新聞2012年1月1日(日)2時30分
経済産業省の安井正也官房審議官が経産省資源エネルギー庁の原子力政策課長を務めていた04年4月、使用済み核燃料を再処理せずそのまま捨てる「直接処分」のコスト試算の隠蔽(いんぺい)を部下に指示していたことが、関係者の証言やメモで分かった。全量再処理が国策だが、明らかになれば、直接処分が再処理より安価であることが判明し、政策変更を求める動きが加速したとみられる。 2カ月後、青森県六ケ所村の再処理工場稼働で生じる費用約19兆円を国民が負担する制度がとりまとめられており、データ隠しが重要な決定につながった疑いが浮上した。
再処理を巡っては02年以降、東京電力と経産省の首脳らが再処理事業からの撤退を模索していたことが判明している。安井氏は京大工学部原子核工学科卒の技官で長年原子力推進政策に関わってきた。いわゆる「原子力ムラ」が撤退への動きを封じた形だ。
試算は通産省(当時)の委託事業で、財団法人「原子力環境整備センター」(現原子力環境整備促進・資金管理センター)が98年、直接処分のコストを4兆2000億~6兆1000億円と算定した。直接処分なら再処理(約19兆円)の4分の1~3分の1以下ですむことを意味する。
毎日新聞が入手したメモは、経産省関係者が04年4月20日付で作成した。「部下(メモは実名)が昨日、安井課長に(試算の存在を)伝えたところ『世の中の目に触れさせないように』との厳命が下った」と記載されている。
部下は取材に対し、安井氏から「試算を見えないところに置いておいてくれ」と指示されたことを認め「目立たないよう他の資料も山積みにしていた、いすの後ろの床の上に置いた」と証言した。
経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」では同5月、複数の委員から直接処分のコスト計算を求める意見が出ていた。原子力政策課は分科会の担当課だったが委員らに試算の存在を伝えず、分科会は同6月、約19兆円を産業用、家庭用の電気料金に上乗せする新制度の導入案をまとめた。これが「国内全量再処理」を堅持する現行の原子力政策大綱につながっている。
【No more Fukushima】Google+ページ
核燃サイクル:直接処分コスト隠蔽 エネ庁課長04年指示
毎日新聞 2012年1月1日 2時30分(最終更新 1月1日 5時05分)
もう、新年早々いろいろ出てくるね。
経済産業省の安井正也官房審議官が経産省資源エネルギー庁の原子力政策課長を務めていた04年4月、 使用済み核燃料を再処理せずそのまま捨てる「直接処分」のコスト試算の隠蔽(いんぺい)を部下に指示していたことが、関係者の証言やメモで分かった。 全量再処理が国策だが、明らかになれば、 直接処分が再処理より安価であることが判明し、政策変更を求める動きが加速したとみられる。
2カ月後、青森県六ケ所村の再処理工場稼働で生じる費用約19兆円を国民が負担する制度がとりまとめられており、 データ隠しが重要な決定につながった疑いが浮上した。
この毎日新聞の記事は、今年の元旦の毎日新聞のスクープ記事であった。
しかし、国会ではこの件に関して与野党とも何一つ追求される事は無かった。

この結果、安井氏(元経産省原子力政策課長)は使用済み核燃料を「直接処分」する場合のコストの隠蔽(世の中の目に触れさせないようにとの指示)を部下に下した事に関して、なんの責任も追及されていない。
その結果、あろう事か、現在、経済産業省大臣官房 審議官(原子力安全規制改革担当)を勤めている。
この結果、原子力の安全の管理をする原子力規制庁は、バリバリの原子力ムラの住人であるこの人の胸先三寸で決まる事になる。

こんな皮肉な状況が、世界中のどこの国にあるのだろうか?
この問題の解決無くして、原子力規制庁の審議など何の意味もなさないだろう。