2012年5月3日木曜日

がれき処理と行政代行。国家の暴走は止まらない!

がれき処理の行政代行が始まっています。

がれき処理 文書で要請へ 首相表明 特措法で協力促す 東京新聞 2012年3月12日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012031202000023.html
野田佳彦首相は十一日の記者会見で、東日本大震災で発生したがれきの広域処理を進めるため、災害廃棄物特別措置法に基づき、被災県を除く全都道府県に文書で受け入れを要請することを明らかにした。今週中に関係閣僚会議を設置し、政府の取り組みを加速させる考えも示した。
首相 がれき代行処理で対応も NHK 3月12日 19時34分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120312/t10013666511000.html

野田総理大臣は、参議院予算委員会で、東日本大震災で生じたがれきの焼却や埋め立てなどを国が自治体に代わって業者と契約して行う『代行処理』について、自治体から要請があれば、必要に応じて対応していく考えを示しました。

ニュースでは、このように報道されていますが実際の国会ではどうだったのでしょうか?

2012/03/12 参議院予算委員会に於いて 川口順子議員(自民)が瓦礫の広域処理の国による代行を迫っています。
川口順子議員は、2000年 環境庁長官・2001年 環境大臣と歴任した環境省と結びつきの強い議員です。

この「国による代行」とは、いったい何でしょうか?


災害廃棄物処理の国による代行措置と国庫補助の強化
~災害廃棄物処理特措法案の成立と国会論議~

http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2011pdf/20111003047.pdf

この資料によると、次のようにあります。
(1)法律案の概要
ウ 国による災害廃棄物の処理の代行 
(ア)環境大臣は、特定被災地方公共団体である市町村の長から要請があり、かつ、市町村における実施体制、専門的な知識・技術の必要性、広域処理の重要性を勘案して必要があると認められるときは、当該市町村に代わって自ら当該市町村の災害廃棄物の収集、運搬及び処分(再生を含む)を行う。
(イ)環境大臣は、東日本大震災復興対策本部の総合調整の下、関係行政機関の長と連携協力して、(ア)による災害廃棄物の収集、運搬又は処分を行うものとし、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に協力を要請することができる。
本来、地方公共団体の事業であるがれき処理を、国が代わって行おうと言う事です。
大事な所は、次の条件がついている事です。
市町村から要請があり、かつ、
①当該市町村の処理の実施体制
②専門的な知識・技術の必要性
③広域的な処理の重要性

を勘案して必要があると認めるとき
この条件が満たされない場合は、がれきの広域処理は無効であります。

この瓦礫の広域処理は、いつ決まったのでしょうか?
調べてみると、平成23年度予算の第3次補正予算に、環境省から予算措置が行われていました。これは、平成23年10月7日閣議決定して平成23年11月21日に成立しています。

http://www.env.go.jp/guide/budget/h23/h23-hos-3b/003.pdf
災害廃棄物処理広域処理等支援事業
250百万円
事業の概要
東日本大震災は、被災自治体が過去に経験のない量と多種・多様な災害廃棄物をもたらした。その災害廃棄物の円滑な処理を行うため、被災地に専門家(コンサルタント等)を派遣し、市町村の処理事業を支援するとともに、東北地方環境事務所の職員と専門家が被災自治体を個別に訪問し、災害廃棄物処理に係る指導、助言を行う。
1.撤去
・現在住民が生活している場所の近くの災害廃棄物:本年8月末までを目途に仮置場へ概ね搬入するという目標(平成23年5月20日緊急災害対策本部決定)については、福島県内の警戒区域を除くすべての市町村において達成できた。
復興施策の事業計画及び工程表やマスタープランに示された目標の達成のため、あらゆる資源を総動員する
広域処理・再生利用の促進
・広域処理のマッチング調整
・広域処理の受入のための説明会へ職員などの派遣
・再生資材の活用に係るマッチング調整
・再生利用の推進について、関係省庁連絡会を設置して連携
国による代行(8/18法律を公布・施行)
市町村から要請があり、かつ、
①当該市町村の処理の実施体制
②専門的な知識・技術の必要性
③広域的な処理の重要性
を勘案して必要があると認めるときは、災害廃棄物の処理を、環境省が代行。


http://www.env.go.jp/guide/budget/h23/h23-hos-3b.html
災害等廃棄物処理事業費補助金(補助・代行)
317,739百万円

事業の概要
市町村(一部事務組合、広域連合を含む。)が実施した
①生活環境の保全上特に必要とされる廃棄物の収集、運搬及び処分に係る事業
②特に必要と認めた仮設便所、集団避難所等から排出されたし尿の収集、運搬及び処分に係る事業(災害救助法に基づく避難所の開設期間内のものに限る。) に要する費用に対する補助
通常の災害廃棄物処理については必要経費の1/2を補助しているが、今回の震災は阪神淡路大震災よりも規模が大きく被害も広範囲に及び、県が災害救助法に基づき実施する災害救助と並行して一体的に処理を進めていくことが必要な状況にあることを踏まえ、特例として災害救助法の負担率を勘案した嵩上げ及びグリーンニューディール基金を活用することで、市町村等の負担を軽減し 生活の早急な回復を図る。


http://www.env.go.jp/guide/budget/h23/h23-hos-3b/002.pdf
再生可能エネルギー導入及び震災がれき処理促進地方公共団体緊急支援基
金事業(地域グリーンニューディール基金の拡充)
【再生可能エネルギー導入促進勘定】    84,000百万円
【 震 災 が れ き 処 理 促 進 勘 定 】     67,964百万円

事業の目的
    東日本大震災の被災地域の復旧・復興や、原子力発電施設の事故を契機とした電力需給の逼迫への対応のため、再生可能エネルギー等の地域資源を徹底活用し、災害に強い自立・分散型のエネルギーシステムを導入し、環境先進地域(エコタウン)をつくり上げていくことが国を挙げての課題となっている。また、こうした取組を行う前提として、災害廃棄物の処理を進めることが不可欠である。
   このため、グリーンニューディール基金制度を活用し、東北の被災地等において、非常時における避難住民の受け入れや地域への電力供給等を担う防災拠点に対する再生可能エネルギーや蓄電池、未利用エネルギーの導入等を支援する。また、「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法」に基づき、被災地域で進められている災害廃棄物の処理促進を支援する。

http://www.env.go.jp/guide/budget/h23/h23-hos-3b/004.pdf
循環型社会形成推進交付金(公共)
                            本土分 12,561百万円
                           北海道分        480百万円

事業の概要
    被災地の復旧・復興において、災害廃棄物の迅速かつ適正な処理は喫緊の課題であるが、その膨大かつ多種多様な災害廃棄物を被災自治体において早期に域内処理をすることは困難であり、広域的な処理が必要である。
    そのため、被災地の早期復旧及び復興を支援するため、特定被災地方公共団体以外の市町村等において既に着工している施設のうち、平成24年度竣工予定の一般廃棄物処理施設を緊急に整備し、処理能力等の強化を図るものである。
合計:250+317,739+84,000+67,964+12,561+480=482,994百万円

4800億円以上の金額です。


更に、平成24年度予算では、このようになっています。
http://www.env.go.jp/guide/budget/h24/h24-gaiyo/003.pdf

(新)災害廃棄物処理代行事業<復旧・復興>
 51,258百万円(0百万円)
この図は、政府を揶揄する為に作った図ではありません。ちゃんと、環境省が作成した公式の資料にあるものです。
この図を見ると、見事に環境省とコンサルタント・処理業者等の関係が分かります。

循環型社会形成推進交付金(公共)(浄化槽分を除く)
5 7 , 0 1 3 百 万 円 ( 3 1 , 2 3 5 百 万 円 )
<うち復旧・復興>  2 3 , 0 2 4 百 万 円
<うち要望枠>      5 , 2 9 0 百 万 円

1.事業の概要
市町村等が廃棄物の3R(リデュース、リユース、リサイクル)を総合的に推進するため、市町村の自主性と創意工夫を活かした広域的かつ総合的な廃棄物処理・リサイクル施設の整備を支援することにより、循環型社会の形成の推進を目的とする事業。
<復旧・復興枠>
 被災地の復旧・復興支援として、災害廃棄物の迅速かつ的確な処理を促進するため、広域処理による災害廃棄物の処理や被災地における処理能力増強に対する重点的な財政措置(交付率嵩上等)により、施設整備の支援を行う。
 <要望枠>
また、東日本大震災等に起因する電力不足が生じている状況に鑑み、発電効率  23%相当以上の「高効率ごみ発電施設」の早期整備を推進する。 
この予算の使い方をみると、被災地ではなく、広域処理を受け入れた自治体の廃棄物処理施設の整備や財政的な支援に使われる事がわかります。

24年度予算成立 実質過去最大歳出規模にhttp://jp.ibtimes.com/articles/28903/20120406/1333677600.htm
歳入の目処も立たないまま、実質的な歳出規模は96兆円を超える過去最大規模の予算が成立しました。

このように予算がついた以上、何としてでも予算を使い切ろうとするのが役人です。
そこに、安全性や瓦礫を受け入れる自治体住民の気持ちを受け入れる部分などありません。

法律的にがれきの広域処理を受け入れない方法の一つは、3つの条件を一つでも否定する事です。

市町村から要請があり、かつ、
①当該市町村の処理の実施体制
②専門的な知識・技術の必要性
③広域的な処理の重要性

を勘案して必要があると認めるとき
さて、このブログを読んで頂いている皆さんには上記の3つの条件が当てはまるとお考えでしょうか?