2012年5月30日水曜日

原子力規制庁の人事に危険な人物

国会で原子力規制庁に関するようやく審議が始まります。
政府案の環境省下の原子力規制庁と、自公案の三条委員会の下の原子力規制庁の案が討論されるでしょう。
しかし、この原子力規制庁の作成に関する経産省に、大変な人物がいます。

経産省HP 幹部一覧に記載されています。
http://www.meti.go.jp/intro/data/kanbu_ichiranj.html

大臣官房
審議官(原子力安全規制改革担当) 安井 正也 (やすい まさや)

この経済産業省の審議官は、Wikipediaによると、次のように記載されている。

経済産業審議官(けいざいさんぎょうしんぎかん、英訳:Vice-Minister for International Affairs, Ministry of Economy, Trade and Industry)は、国家公務員の官職及び役職の一つである。
経済産業事務次官に次ぐ経済産業省における官僚のナンバー2のポストであり、いわゆる次官級審議官職の一つで経済産業省設置法に定められている「特別な職」である。2006年現在の定員は1人。

2012年の現在では3人の審議官が置かれており、原子力安全規制改革を担当する審議官、つまり原子力規制庁を作る作業をする審議官の役職についているのが、安井 正也氏である。

彼の名前は、2004年に起こった事件により知られる事になった。
この件については、次の2つのブログ及びGoogle+ページとそこに引用された毎日新聞の記事に詳しい。

【ものぐさのブログ】
安井正也 原子力安全規制改革担当審議官は適任か
2012年1月 2日 (月)
報道によれば、安井審議官は、経産省原子力政策課長を務めていた04年4月、使用済み核燃料を再処理せず、そのまま捨てる「直接処分」のコスト試算の隠蔽を部下に指示しました。
高速増殖炉「もんじゅ」を核とした「核燃料サイクル」は福島原発事故を契機に、政策転換を迫られています。この「核燃料サイクル」の一翼をになう六ヶ所村核燃料再処理工場は、97年に運転開始の予定であったが、数々のトラブルにより、08年に試験を中断しました。いわく付きの「核燃料サイクルシステム」です。
02年10月 原子力委員会やエネルギー庁の一部幹部は使用済み核燃料の受け入れを提案するロシアの外交文書を隠した。 
04年1月  再処理工場の稼動、約19兆円との試算が公表された。撤退は責任問題に発展しかねず、東電も経産省も撤退方針を出さなかった。
04年3月  社民党党首が再処理をしない場合のコストを求めたのに対し、当時のエネルギー長官は「日本には直接処分コストの試算はない」と答弁している。答弁案は安井氏が作成した。安井氏は3ヶ月前からこの試算の存在を知っていたことが、今回明らかになった。
04年5月  「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」は「直接処分」に関するコストの算出を要求していたが、安井氏はその存在を伝えなかった。安井氏の所属する原子力政策課は分科会の担当課でした。
04年6月  分科会は約19兆円を電気料金に上乗せする制度の導入案をまとめた。これにより、「国内全量再処理」が国策となった。
11年11月 経産省幹部は文書の存在を初めて知り、「ロシアへの核燃料の排出が提示でき、事業撤退への道が開けたかも知れない」と悔しがった。 

【核燃料サイクルの周りをグルグルと】
2012年01月06日

安井氏は取材に対し「(部下が試算を持ってきたことは)あったかもしれないが(隠蔽指示は)記憶にない」と話しているという。
こういうことは、証拠が多いはずなので、経産省以外の組織が厳正に調査することを望む。
どれだけ多くの国費が無駄になるか計り知れない影響があるからだ。

毎日新聞2012年1月1日(日)2時30分
経済産業省の安井正也官房審議官が経産省資源エネルギー庁の原子力政策課長を務めていた04年4月、使用済み核燃料を再処理せずそのまま捨てる「直接処分」のコスト試算の隠蔽(いんぺい)を部下に指示していたことが、関係者の証言やメモで分かった。全量再処理が国策だが、明らかになれば、直接処分が再処理より安価であることが判明し、政策変更を求める動きが加速したとみられる。 2カ月後、青森県六ケ所村の再処理工場稼働で生じる費用約19兆円を国民が負担する制度がとりまとめられており、データ隠しが重要な決定につながった疑いが浮上した。
再処理を巡っては02年以降、東京電力と経産省の首脳らが再処理事業からの撤退を模索していたことが判明している。安井氏は京大工学部原子核工学科卒の技官で長年原子力推進政策に関わってきた。いわゆる「原子力ムラ」が撤退への動きを封じた形だ。
試算は通産省(当時)の委託事業で、財団法人「原子力環境整備センター」(現原子力環境整備促進・資金管理センター)が98年、直接処分のコストを4兆2000億~6兆1000億円と算定した。直接処分なら再処理(約19兆円)の4分の1~3分の1以下ですむことを意味する。
毎日新聞が入手したメモは、経産省関係者が04年4月20日付で作成した。「部下(メモは実名)が昨日、安井課長に(試算の存在を)伝えたところ『世の中の目に触れさせないように』との厳命が下った」と記載されている。
部下は取材に対し、安井氏から「試算を見えないところに置いておいてくれ」と指示されたことを認め「目立たないよう他の資料も山積みにしていた、いすの後ろの床の上に置いた」と証言した。
経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」では同5月、複数の委員から直接処分のコスト計算を求める意見が出ていた。原子力政策課は分科会の担当課だったが委員らに試算の存在を伝えず、分科会は同6月、約19兆円を産業用、家庭用の電気料金に上乗せする新制度の導入案をまとめた。これが「国内全量再処理」を堅持する現行の原子力政策大綱につながっている。
【No more Fukushima】Google+ページ
核燃サイクル:直接処分コスト隠蔽 エネ庁課長04年指示
毎日新聞 2012年1月1日 2時30分(最終更新 1月1日 5時05分)
もう、新年早々いろいろ出てくるね。
経済産業省の安井正也官房審議官が経産省資源エネルギー庁の原子力政策課長を務めていた04年4月、 使用済み核燃料を再処理せずそのまま捨てる「直接処分」のコスト試算の隠蔽(いんぺい)を部下に指示していたことが、関係者の証言やメモで分かった。 全量再処理が国策だが、明らかになれば、 直接処分が再処理より安価であることが判明し、政策変更を求める動きが加速したとみられる。
2カ月後、青森県六ケ所村の再処理工場稼働で生じる費用約19兆円を国民が負担する制度がとりまとめられており、 データ隠しが重要な決定につながった疑いが浮上した。
この毎日新聞の記事は、今年の元旦の毎日新聞のスクープ記事であった。
しかし、国会ではこの件に関して与野党とも何一つ追求される事は無かった。

この結果、安井氏(元経産省原子力政策課長)は使用済み核燃料を「直接処分」する場合のコストの隠蔽(世の中の目に触れさせないようにとの指示)を部下に下した事に関して、なんの責任も追及されていない。
その結果、あろう事か、現在、経済産業省大臣官房 審議官(原子力安全規制改革担当)を勤めている。
この結果、原子力の安全の管理をする原子力規制庁は、バリバリの原子力ムラの住人であるこの人の胸先三寸で決まる事になる。

こんな皮肉な状況が、世界中のどこの国にあるのだろうか?
この問題の解決無くして、原子力規制庁の審議など何の意味もなさないだろう。

2012年5月16日水曜日

大飯原発再稼働を認めた町「おおい町」ってどんな町?えっ!時岡忍町長は?!

日本中が、大飯原発の再稼働について議論している中、突然こんなニュースが飛び込んできました!

おおい町議会、大飯原発再稼働を容認
http://news.tbs.co.jp/20120514/newseye/tbs_newseye5029061.html
大飯原発3号機、4号機について、地元の福井県おおい町議会は、再稼働を容認することを決め、町長に報告しました。これを受けて、町長は近く再稼働を認める町としての意向を福井県知事に伝えるとみられています。政府が求めていた地元同意のうち、初めて再稼働を容認する判断を下したおおい町議会。時岡町長は近く、町としての意向を西川県知事に伝える見通しです。(14日17:57)
大飯原発が話題になるまでは、あまり存在を気にしなかったおおい町。
いったいどんな所なのでしょうか?

おおい町は、福井県の西にあり東の方には小浜市、西の方には舞鶴市がある日本海に面した町です。


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このおおい町の北側に位置する大島半島の突端に大飯原発は建設されています。

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このおおい町はどんな町なのでしょうか?
おおい町のHPを見てみましょう。
http://www.town.ohi.fukui.jp/sypher/www/normal_top.jsp
 当町は、原子力発電施設立地の町であり、大島地域には大飯発電所が設置されています。西日本最大の電力供給基地としての役割を担い、関西エリアの約1/4の電力をまかなっています。 わかさ大飯マリンワールド事業「うみんぴあ大飯」、保健・医療・福祉総合施設「なごみ」、iネットぴあビジョンにおける高速通信網の整備が完了し、特に「うみんぴあ大飯」は関西・中京方面からの観光客を中心に賑わいをみせています。
おおい町マスコットキャラクター“うみりん”
おおい町マスコットキャラクター“うみりん”
原子力発電による関西地域への貢献の自負が感じられます。また、大型観光施設による観光客誘致による地域振興を目指しているようです。

■平成23年10月1日現在(住民基本台帳)
 総人口 8,849人   男 4,303人  女 4,546人 世帯数 3,177世帯

この町の住民は9000人ほど。日本海に臨んだ風光明媚な小さな町です。
おおい町の案内は、町のHPからリンクされている資料に詳しく載っています。
Flash Playerで表示の拡大縮小、記事の音読機能までついた、とても凝ったものです。
「おおい町勢要覧」
http://www.town.ohi.fukui.jp/free_space/ohi/book982.html

このPR資料を見ると、おおい町にはざっと見ただけでも次のような施設がある事がわかります。

うみんぴあ大飯
アミューズメント、ホテル、グルメ、ショッピング、ヒーリングなど、さまざまな楽しみが集まる複合レジャー空間“うみんぴあ大飯”。
2007年に開業した「マリーナ」を皮切りに、2008年には「エルガイアおおい」と「こども家族館」、2009年には「ホテルうみんぴあ」と「観光船」が、続々とオープン。今後はショッピング施設の設営など、さらなる展開を予定しています。
成長する“うみんぴあ大飯”にどうぞご期待ください。





患者様や利用者の方々、お一人ひとりと心が通い合い、信頼し合える「地域のかかりつけ医」となること。
これが「おおい町保健・医療・福祉総合施設」のテーマです。
この考えを基本に、先端医療とネットワークを最大限に発揮し、地域社会と深く結びついた医療サービスの提供をめざします。



平成 17 年度 電源地域情報化推進モデル事業 (情報家電活用モデル事業)導入マニュアル
p.70
3 福井県おおい町[旧大飯町]:タッチパネル式情報端末「i ネットぴあ情報端末」導入
おおい町では現在、平成 15(2003)年 3 月に策定された「大飯町高速通信網構築基本計画」にのっとり、おおい町大飯地域に光ファイバ網によるインターネットサービスを提供するためのネットワーク整備を進めている。
 地下配管工事や通信センター(i ネットぴあプラザ)の工事がすでに完了し、平成17(2005)年 6 月から町への光ファイバ幹線の敷設が開始されている。平成 19(2007)年頃からは各家庭への光ファイバの引込みを開始し、平成 20(2008)年頃までには全世帯(約 2,000 世帯)に光ファイバを引き込む予定としている。

おおいり館は原子炉屋内を3分の1で再現した「3分の1ワールド」をはじめ、メディアラボなど原子力を実体験できるPR施設です。  
どうでしょうか?
人口8,000人の町にしては、充分すぎるほどの施設がいっぱいです。これらは、全て大飯原子力発電所を誘致した事で出来たのです。
では、おおい町に住む住人にとっての大飯原発とは、どんな存在なのでしょうか?

大谷 昭宏事務所のHPにコラムが掲載されています。
原発再稼働か停止かで揺れる福井県おおい町
〜 町民の複雑な本音を探ってみた  吉富 有治
http://homepage2.nifty.com/otani-office/column/yo_043.html
この町は原発があるおかげで、十分すぎるほどの財政的な恩恵を受けている。町の財政規模は、同じ人口の他町に比べて、ほぼ3倍。財務体質は超がつくほど優良で、国からの地方交付税も受けていない。理由は簡単。原発を抱える自治体は国から電源三法交付金という名の“迷惑料”が潤沢に支払われているからだ。この交付金のおかげで原発立地の自治体は必要以上の贅沢が可能になる。 町を歩いてみれば、それは実感できる。リゾートホテルにマリーナ、温泉などのアミューズメント施設、豪華な総合体育施設など、人口規模から見て不釣り合いとも思えるハコモノが町のあちこちに立ち並んでいる。豊かな財政のおかげで町民への福祉行政も他と比べて充実している。 しかし、こういった贅沢が可能なのは、大飯原発が稼働しているという条件があればこそ。停止中では国からの迷惑料も減らされる。ましてや再稼働が認められず廃炉にでもなれば、電源三法交付金は入らなくなる。農業と漁業以外にさしたる収入源がない町にすれば、廃炉はすなわち財政破綻。町の「死」を意味する。
「原発が怖いかといえば、怖いに決まっています。本音を言えば、おおい町に原発があるのは反対です。一部を除いて多くの町民も心のなかでは、そう考えているでしょう」
「けれど、あからさまな本音は口に出して言えないのです。町民の約2割は、原発関連の仕事に就いたり、あるいは何らかの形で商売上の恩恵を受けています。もし原発反対と言えば、たぶん除け者にされるでしょう。推進派の町議から睨まれ、様々な面でいじわるされる可能性もある。だから何も言えないのです」
おおい町の時岡忍町長も再稼働について一応は慎重な態度をとっている。だが、この町長、長男が経営する会社が関西電力と取引している事実がある。しかも、筆頭株主は町長本人。従業員15人ほどの小さな町工場でありながら、大飯原発内に作業所を抱えて売り上げは順調に伸び、しかもその大半を原発関連が占めている。ここ数年、関電との取引は総計で4億円を超えている。ある町民は「町長の親族が経営する会社だから、関西電力も優遇しているのでは」といぶかしがる。

原発再稼動に動き出した町長の足元では
ーー関西電力「大飯原発」の仕事を請け負う「おおい町町長」の経営する会社
取材・文 吉富有治(ジャーナリスト)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/24186
 10月25日付けの産経新聞が一面トップで「福井・おおい町長 大飯原発 再稼動容認へ」という記事を載せている。東日本大震災に端を発した福島第一原発の事故が起こって以降、原発立地の自治体首長が定期検査で停止中の原発再稼動に前向きな発言をしたのは初めてである。当然、国や電力会社は注目し、再稼動に慎重な地元住民からは批判の声が上がっているという。
 同町の平成21年度決算によると、歳入は131億5600万円、歳出は123億4000万円で実質収支は5億3500万円の黒字。経常収支比率は80.8%。財政の余裕度を示す財政力指数は1.10。この指数が1以上なら国から地方交付税を受けることはないので、むろん、おおい町は不交付団体である。自治体のヘソクリを示す財政調整基金など各種積立金の残高も125億3200万円と、同年度における歳出と同額の規模を誇っている。
「原発が建設される前まで町は財政破綻の寸前でした。産業といっても、大半は農業と漁業を細々と営むだけ。人口も減り、町は老人ばかり。そこに原発がやってきたものだから、がらりと様相が変わりました。道路は舗装され、原発が立っている大島半島への道も整備されました。本当に原発サマサマですよ」
 A社が福井県に提出した工事経歴書を確認したところ、平成15年4月から同23年3月までの期間、関西電力から直接受注した大飯原発関連の請負額は1億5900万円。また、同じく原発関連で関西電力と同社下請け企業からの受注額は総計4億6800万円。その推移は[表1]のようになった。グラフを見てもわかるように、平成18年以降、A社の原発関連事業は、ほぼ増加の一途だ。
 実は、このA社の創業者は時岡町長。現在は町長の長男が社長に就任しているものの、時岡町長はいまも取締役として名を連ね、A社株の約46%を保有する筆頭株主である。
「A社は私が創業したもので、関西電力とは創業時からの取引。いまは息子が引き継いでいる。私は経営には口出ししていないのでA社とは無関係。株主や取締役にしても手続き上、残っているだけ。報酬も受け取っていない」(時岡町長)
 また、9月15日に行われた町議会においても、時岡町長はさらに踏み込んだ発言をした。4基の大飯原発のうち、1号機と2号機は建造から30年を超えて老朽化が目立っている。その古びた原発を廃炉にするかを町議から問われた時岡町長は、以下のように述べている。
 国の許可を前提としているが、早い話、おおい町は1、2号機に代わる新しい原発を建造してはどうかという発言である。野田佳彦総理も「(原発の)新規建設は現実的に困難」と明言しているにもかかわらず、時岡町長の議会発言は"どじょう宰相"の2歩も3歩も前を行くもの。「踏み込みすぎて唖然とした」(議会関係者)という意見は、至極もっともである。

交付金で“政策誘導” 住環境の向上に寄与 2章(5)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpowerplantfuture/32978.html
原発の立地・周辺自治体に配分される電源3法交付金は、さまざまな形で暮らしの底上げに使われてきた。
例えば、嶺南の自治体は子どもの医療費助成を先行して実施。2010年10月の県の制度拡充まで多くの自治体が「就学前児童の無料」にとどまっていたのに対し、嶺南の全4町はいち早く中学3年まで無料としていた。
「子どもは病院だけでなく歯科医などに通う機会も多い。医療費無料が一番助かっている」と話すのは小学生と保育園児を持つおおい町の主婦(36)。町内での暮らしやすさを実感している。
多額の同交付金は社会資本整備にも投入され、数字が“効果”を物語っている。
1972年に37・8%だった嶺南の道路舗装率は09年には88・2%に上昇。嶺北を上回る伸び率だ。09年の上水道普及率は98・3%、下水道は86・6%と嶺南の方が嶺北より高い。6歳未満児1千人当たりの保育所整備数は80年の4・56から09年には6・82にアップした。
立派な文化施設や教育施設、グラウンド、道の駅なども整備された。時岡忍おおい町長は「昔はスポーツ施設や温泉など何一つなかった。原発を誘致しなければ、細々と町運営していただろう」と語り、同交付金が住環境の向上につながったと力説する。
原発の先行きは交付金の在り方も大きく左右する。2人の未就学児を持つおおい町の女性(26)は、考え込まざるを得ないという。「原発がなくなって今のサービスが受けられなくなるのはとても困る。でも、子どものことを考えると万が一の原発事故は怖い。複雑な心境」

この資料を見てわかる事は、電源三法交付金が原発立地市町だけでなく、おおい町に隣接した小浜市や敦賀市に隣接した小浜市、それから県内全体の地方自治体に広く散撒かれている事です。

原発地元に匿名寄付500億円 福井、大半は電力業界か
朝日新聞デジタル 2011年11月4日03時00分http://digital.asahi.com/articles/OSK201111030129.html?id1=2&id2=cabbbbae
全国最多の原発15基(1基は解体中)を抱える福井県と県内立地4市町に、匿名を希望する大口寄付が2010年度までに少なくとも計502億円寄せられていたことが、自治体への情報公開請求などでわかった。朝日新聞の今回の取材で、約3割の150億円は、同県内に原発をもつ関西電力など電力事業者からと特定できた。
自治体関係者は「電力事業者以外に大口寄付はほぼない」と語っており、残りも電力業界からの可能性がある。福井県と原発近くの県内市町には1974~2009年度に、電気利用者が払う電気料金を原資とした「電源三法交付金」が国を通して計3245億円交付されているが、ほかにも巨額の金が利用者に見えない形で地元に入っていた。
判明した匿名寄付は、福井県・計197億5千万円(92~10年度)▽敦賀市・計133億1千万円(69~10年度)▽おおい町・計102億4千万円(81~10年度)▽高浜町・計13億4千万円(80~10年度)▽美浜町・計55億3千万円(91~10年度)。千万円以上を計上し、電力事業者からと判明した匿名寄付は小口分も含めた。

建設に伴って匿名寄付があった福井県おおい町の町総合運動公園。寄付は大飯原発3、4号機増設の時期に寄せられた=同町成和2丁目
福井県内の原発立地と確認された匿名寄付
主な高額の匿名寄付
人口9000人ほどの小さな町が、破綻寸前の状態から、原発を誘致する事で電源三法の交付金を得られ見る見るうちに裕福になりました。
また、交付金以外にも巨額の匿名寄付が行われています。
多くの巨大観光施設が建てられ、住民の医療は恵まれた状態になり、全ての家庭に光ファイバーを用いたケーブルテレビとインターネットが設置されました。
町を束ねる町長の親族会社は、原発関連の事業で大きく売り上げを伸ばしています。

こんな状況は、おおい町だけではないでしょう。
原子力発電所の立地する地方自治体の全てに言える事です。

これまで、原子力発電所の建設に関しては地元自治体の同意が必要とされて来た歴史があります。それが、この交付金や寄付金やその他の便宜供与などを膨らませ、民主主義を大きく狂わせる事になっていました。
この点は、これから完全に改める必要があります。



2012年5月3日木曜日

がれき処理と行政代行。国家の暴走は止まらない!

がれき処理の行政代行が始まっています。

がれき処理 文書で要請へ 首相表明 特措法で協力促す 東京新聞 2012年3月12日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012031202000023.html
野田佳彦首相は十一日の記者会見で、東日本大震災で発生したがれきの広域処理を進めるため、災害廃棄物特別措置法に基づき、被災県を除く全都道府県に文書で受け入れを要請することを明らかにした。今週中に関係閣僚会議を設置し、政府の取り組みを加速させる考えも示した。
首相 がれき代行処理で対応も NHK 3月12日 19時34分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120312/t10013666511000.html

野田総理大臣は、参議院予算委員会で、東日本大震災で生じたがれきの焼却や埋め立てなどを国が自治体に代わって業者と契約して行う『代行処理』について、自治体から要請があれば、必要に応じて対応していく考えを示しました。

ニュースでは、このように報道されていますが実際の国会ではどうだったのでしょうか?

2012/03/12 参議院予算委員会に於いて 川口順子議員(自民)が瓦礫の広域処理の国による代行を迫っています。
川口順子議員は、2000年 環境庁長官・2001年 環境大臣と歴任した環境省と結びつきの強い議員です。

この「国による代行」とは、いったい何でしょうか?


災害廃棄物処理の国による代行措置と国庫補助の強化
~災害廃棄物処理特措法案の成立と国会論議~

http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2011pdf/20111003047.pdf

この資料によると、次のようにあります。
(1)法律案の概要
ウ 国による災害廃棄物の処理の代行 
(ア)環境大臣は、特定被災地方公共団体である市町村の長から要請があり、かつ、市町村における実施体制、専門的な知識・技術の必要性、広域処理の重要性を勘案して必要があると認められるときは、当該市町村に代わって自ら当該市町村の災害廃棄物の収集、運搬及び処分(再生を含む)を行う。
(イ)環境大臣は、東日本大震災復興対策本部の総合調整の下、関係行政機関の長と連携協力して、(ア)による災害廃棄物の収集、運搬又は処分を行うものとし、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に協力を要請することができる。
本来、地方公共団体の事業であるがれき処理を、国が代わって行おうと言う事です。
大事な所は、次の条件がついている事です。
市町村から要請があり、かつ、
①当該市町村の処理の実施体制
②専門的な知識・技術の必要性
③広域的な処理の重要性

を勘案して必要があると認めるとき
この条件が満たされない場合は、がれきの広域処理は無効であります。

この瓦礫の広域処理は、いつ決まったのでしょうか?
調べてみると、平成23年度予算の第3次補正予算に、環境省から予算措置が行われていました。これは、平成23年10月7日閣議決定して平成23年11月21日に成立しています。

http://www.env.go.jp/guide/budget/h23/h23-hos-3b/003.pdf
災害廃棄物処理広域処理等支援事業
250百万円
事業の概要
東日本大震災は、被災自治体が過去に経験のない量と多種・多様な災害廃棄物をもたらした。その災害廃棄物の円滑な処理を行うため、被災地に専門家(コンサルタント等)を派遣し、市町村の処理事業を支援するとともに、東北地方環境事務所の職員と専門家が被災自治体を個別に訪問し、災害廃棄物処理に係る指導、助言を行う。
1.撤去
・現在住民が生活している場所の近くの災害廃棄物:本年8月末までを目途に仮置場へ概ね搬入するという目標(平成23年5月20日緊急災害対策本部決定)については、福島県内の警戒区域を除くすべての市町村において達成できた。
復興施策の事業計画及び工程表やマスタープランに示された目標の達成のため、あらゆる資源を総動員する
広域処理・再生利用の促進
・広域処理のマッチング調整
・広域処理の受入のための説明会へ職員などの派遣
・再生資材の活用に係るマッチング調整
・再生利用の推進について、関係省庁連絡会を設置して連携
国による代行(8/18法律を公布・施行)
市町村から要請があり、かつ、
①当該市町村の処理の実施体制
②専門的な知識・技術の必要性
③広域的な処理の重要性
を勘案して必要があると認めるときは、災害廃棄物の処理を、環境省が代行。


http://www.env.go.jp/guide/budget/h23/h23-hos-3b.html
災害等廃棄物処理事業費補助金(補助・代行)
317,739百万円

事業の概要
市町村(一部事務組合、広域連合を含む。)が実施した
①生活環境の保全上特に必要とされる廃棄物の収集、運搬及び処分に係る事業
②特に必要と認めた仮設便所、集団避難所等から排出されたし尿の収集、運搬及び処分に係る事業(災害救助法に基づく避難所の開設期間内のものに限る。) に要する費用に対する補助
通常の災害廃棄物処理については必要経費の1/2を補助しているが、今回の震災は阪神淡路大震災よりも規模が大きく被害も広範囲に及び、県が災害救助法に基づき実施する災害救助と並行して一体的に処理を進めていくことが必要な状況にあることを踏まえ、特例として災害救助法の負担率を勘案した嵩上げ及びグリーンニューディール基金を活用することで、市町村等の負担を軽減し 生活の早急な回復を図る。


http://www.env.go.jp/guide/budget/h23/h23-hos-3b/002.pdf
再生可能エネルギー導入及び震災がれき処理促進地方公共団体緊急支援基
金事業(地域グリーンニューディール基金の拡充)
【再生可能エネルギー導入促進勘定】    84,000百万円
【 震 災 が れ き 処 理 促 進 勘 定 】     67,964百万円

事業の目的
    東日本大震災の被災地域の復旧・復興や、原子力発電施設の事故を契機とした電力需給の逼迫への対応のため、再生可能エネルギー等の地域資源を徹底活用し、災害に強い自立・分散型のエネルギーシステムを導入し、環境先進地域(エコタウン)をつくり上げていくことが国を挙げての課題となっている。また、こうした取組を行う前提として、災害廃棄物の処理を進めることが不可欠である。
   このため、グリーンニューディール基金制度を活用し、東北の被災地等において、非常時における避難住民の受け入れや地域への電力供給等を担う防災拠点に対する再生可能エネルギーや蓄電池、未利用エネルギーの導入等を支援する。また、「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法」に基づき、被災地域で進められている災害廃棄物の処理促進を支援する。

http://www.env.go.jp/guide/budget/h23/h23-hos-3b/004.pdf
循環型社会形成推進交付金(公共)
                            本土分 12,561百万円
                           北海道分        480百万円

事業の概要
    被災地の復旧・復興において、災害廃棄物の迅速かつ適正な処理は喫緊の課題であるが、その膨大かつ多種多様な災害廃棄物を被災自治体において早期に域内処理をすることは困難であり、広域的な処理が必要である。
    そのため、被災地の早期復旧及び復興を支援するため、特定被災地方公共団体以外の市町村等において既に着工している施設のうち、平成24年度竣工予定の一般廃棄物処理施設を緊急に整備し、処理能力等の強化を図るものである。
合計:250+317,739+84,000+67,964+12,561+480=482,994百万円

4800億円以上の金額です。


更に、平成24年度予算では、このようになっています。
http://www.env.go.jp/guide/budget/h24/h24-gaiyo/003.pdf

(新)災害廃棄物処理代行事業<復旧・復興>
 51,258百万円(0百万円)
この図は、政府を揶揄する為に作った図ではありません。ちゃんと、環境省が作成した公式の資料にあるものです。
この図を見ると、見事に環境省とコンサルタント・処理業者等の関係が分かります。

循環型社会形成推進交付金(公共)(浄化槽分を除く)
5 7 , 0 1 3 百 万 円 ( 3 1 , 2 3 5 百 万 円 )
<うち復旧・復興>  2 3 , 0 2 4 百 万 円
<うち要望枠>      5 , 2 9 0 百 万 円

1.事業の概要
市町村等が廃棄物の3R(リデュース、リユース、リサイクル)を総合的に推進するため、市町村の自主性と創意工夫を活かした広域的かつ総合的な廃棄物処理・リサイクル施設の整備を支援することにより、循環型社会の形成の推進を目的とする事業。
<復旧・復興枠>
 被災地の復旧・復興支援として、災害廃棄物の迅速かつ的確な処理を促進するため、広域処理による災害廃棄物の処理や被災地における処理能力増強に対する重点的な財政措置(交付率嵩上等)により、施設整備の支援を行う。
 <要望枠>
また、東日本大震災等に起因する電力不足が生じている状況に鑑み、発電効率  23%相当以上の「高効率ごみ発電施設」の早期整備を推進する。 
この予算の使い方をみると、被災地ではなく、広域処理を受け入れた自治体の廃棄物処理施設の整備や財政的な支援に使われる事がわかります。

24年度予算成立 実質過去最大歳出規模にhttp://jp.ibtimes.com/articles/28903/20120406/1333677600.htm
歳入の目処も立たないまま、実質的な歳出規模は96兆円を超える過去最大規模の予算が成立しました。

このように予算がついた以上、何としてでも予算を使い切ろうとするのが役人です。
そこに、安全性や瓦礫を受け入れる自治体住民の気持ちを受け入れる部分などありません。

法律的にがれきの広域処理を受け入れない方法の一つは、3つの条件を一つでも否定する事です。

市町村から要請があり、かつ、
①当該市町村の処理の実施体制
②専門的な知識・技術の必要性
③広域的な処理の重要性

を勘案して必要があると認めるとき
さて、このブログを読んで頂いている皆さんには上記の3つの条件が当てはまるとお考えでしょうか?