2012年3月31日土曜日

瓦礫と広域処理と経費。何のための税金か!


ここに、一つの報告書があります。
公益法人・財団法人日本環境衛生センターより、2011年 11 月に発表されたものです。
ここは、その活動内容より環境省とも繋がりが非常に強い会社です。
また、産業廃棄物処理のプロフェッショナルと言う事で、政府の仕事に協力しています。

東日本大震災で発生した災害廃棄物の広域処理に関する一考察(第一報)
―費用と処理期間の低減効果―
http://www.jesc.or.jp/info/report/report01.pdf
宮城県内処理シナリオでは、すべての災害廃棄物の処理完了期間は8年であり、長期に
わたる結果となった。
廃棄物種類ごとにみると、不燃物の安定型と管理型の最終処分に要する期間はそれぞれ
8年と6年、可燃物の焼却処理に要する期間は4年、木くずの再資源化・焼却処理の期間
は8年となった。
 宮城県の災害廃棄物を宮城県・福島県内で処理するシナリオでは、処理完了期間は4年
と推計された。廃棄物種類ごとにみると、不燃物の安定型最終処分は2年、不燃物の管理
型最終処分は3年、可燃物の焼却処理は2年、木くずの再資源化処理・焼却処理は4年と
なった。宮城県内における災害廃棄物全体の約 44%が同県内で処理され、残りの約 56%が
福島県内で処理される結果となった。
対象処理施設を東日本に広げると、1年以内に処理が終了すると推計された。
宮城県内における災害廃棄物全体の約 18%が同県内で処理され、県外への移動は、北海
道、青森県、秋田県、山形県、新潟県、群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、東京都、千葉
県の対象地域全体に及んだ。
一方、総処理費用は、宮城県内処理シナリオが 885 億円(1t当たり平均 1.1 万円)で
あるのに対し、宮城県・福島県内処理シナリオは 1,113 億円(1t当たり平均 1.4 万円)、東日本処理シナリオは 1,476 憶円(1t当たり平均 1.9 万円)となり、それぞれ宮城県内処理シナリオの約 1.3 倍、約 1.7 倍となった。
各シナリオの総処理費用の内訳(処理費と輸送費)を図 15 に示す。広域処理は、処理の
効率化による処理速度と処理費の低減という観点からは効果的である半面、輸送費による
処理費用の全体的なかさ上げにつながることに留意すべきである。


この報告から、3つの点を指摘しなければいけません。

1)宮城県内だけの処理でも、最長8年で処理出来る。
木屑の再処理を除けば、4年で終わる。

2)基本的な処理費用は、宮城県で880億円程度である。
災害廃棄物の量が岩手県で 4.5 百万t、宮城県で 16.7 百万t、福島県で 4.0 百万t程度であることを考えると、総計しても1330億円程にしかならない


3)広域処理をする事で、輸送費が飛躍的に跳ね上がる。
東日本だけの簡単なシミュレーションでも、2倍近くになる。
グラフを見ると、輸送費の50億円が700億円に跳ね上がり、総費用の半分にものぼってしまいます。
このシミュレーションでは、直線で距離を計算しているので、実際の道路の道のりに直すと2倍近くの距離になるでしょう。だとすると、輸送費は倍になり、総費用の3/4にもなってしまいます。
更に、東日本だけでなく全日本に拡大すると、輸送費は距離に比例するので輸送費は3倍くらいは掛かると見積もられます。そうなると、広域瓦礫処理事業では90%は輸送費と言う事になり、もう何にお金を使っているか分からなくなります。

ここに、平成23年度第3次補正予算(案)についての資料があります。
災害廃棄物の処理の促進の項目だけで、3,985億円もの予算が計上されています。

更に、平成24年度の予算で追加されている金額は、次のページにあります。
平成24年度環境省予算(案)主要新規事項等の概要
http://www.env.go.jp/guide/budget/h24/h24-gaiyo-2.html
災害廃棄物の迅速な処理等の推進として、3,656億円の予算が計上されています。

この2つの予算を足すと7,641億円もの額になってしまいます。
しかも、この予算は、被災地の復興の中で「単に瓦礫を片付けるだけ」なのです。

この膨大な予算は、瓦礫の広域処理を前提にして組まれています。
瓦礫の日本全体での広域処理などと言う物は、実際には何にお金を使っているのか分からない様な愚策でしかありません。
税と保障の一体改革を進めている野田政権にとって、まず身を切る改革が求められています。
災害復興だとしても無制限に予算を使っていいと言うわけではありません。

6 件のコメント:

  1. 同感!
    被災地に救援活動を始め一年になります、現地に滞在すると
    報道と現実の違いに参ります。
    ガレキ処理に数万坪の土地を提供して下さる篤志家もおり行政に
    引き取りの申し入れをしても、他府県に出すことしか考えて居りません。
    引き取り先の住民が反対すれば、公務執行妨害とやらで逮捕です
    何処か間違っておりませんか?
    世界一大人しい日本国民も税金の無駄使いに目を向けるべきです
    解つて居ながら、それでも処理に飛び回る自分が嫌になります。

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    1. 救助活動、本当にご苦労様です。
      一生懸命被災地のために活動して下さる皆様に、本当に頭が下がります。
      被災地の方が、本当に良い生活をおくれるようになる事を、切に望んでいます。

      >ガレキ処理に数万坪の土地を提供して下さる篤志家もおり行政に
      >引き取りの申し入れをしても、他府県に出すことしか考えて居りません。

      それは、本当に悲しい事です。
      がれきの広域処理の事で、瓦礫受け入れ自治体とそこの住民との間の軋轢が悲しい対立を生んでいます。被災地の人だけではなく、広く一般国民の間にも不必要な感情の対立が起きています。
      正しい事をちゃんとやるだけで、そんな事は起きないのになぜそれが出来ないのでしょうか?

      無尽蔵ではない復興財源を、少しでも被災地の人の生活向上のために有効活用してもらいたいのです。
      被災地は、家や公共施設を作って終わりというわけにはいきません。
      そこの住民が生きていくための産業の育成こそが大事なのに、そう言った事は何も議論されていないのです。

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  2. 無駄遣い以前の話題をもうひとつ提供しますね。

    ●フクシマで行なわれている「除染」なるサギビジネスです。
    その①直近事例 (飯舘村&山木屋地区にて)
     総額20億円の予算で、40haの除染実証なるアホを農水省主導でおこなってます。
     作業は
     1)農地の草を刈り、フレコンに詰める。
     2)畦の草も同様に刈り取りフレコンに詰める。
     3)草刈り後の表面に固化剤を散布する。(たぶん石灰)
     4)固まったあとにユンボで表土を剥ぎ、フレコンに詰める。(50㌧/ha程度になります)
     5)仮置き場に移動します。

     この一連の作業で予算は、5,000万円/haです^^

     この実証作業なる代物は昨年からあちこちで行なわれているが、(たぶん)総てが線量値が元に
     戻っている。小生も二箇所は測定し、元に戻ったことを確認してきた。

     無論 元請けはゼネコン。
     地元の農家などを下請けに使っています。
     因みに、日当は15000円程度らしい・・・。(作業者にヒアリングした)
     己の耕地を汚され、避難させられ、挙句に日当15000円。
    因みに、作業工程のサンプルはある地域でおこなった農家グループのやり方ですね。
     効率がゼネコンの5割増しだったそうな。
     でも、それで農家の日当が増えたわけでは無い。
     ダメだよ~ ノウハウを教えちゃ!! と伝えましたが、後の祭り。
     人材は幾らでも地元にいるのにね・・・・。
     大学やらコンサルやらに依頼しても何も残らない東北。
     
     なんじゃこりゃ!!! の連続の日々。
     このまま年金ぐらいなんぞ、とてもで無いが出来ません。
     徹底的に闘おうと考えてます。
     手を変え、品を変えてね。

     日本人であることを止めますか!?
     それとも矜持を持ち続けますか!? の狭間にあるのが東北三県+㌁ですね。

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    1. なぜ、こんな現状がまかり通るのでしょうか?
      まさに腐肉に集るコンドルの群れです。

      一般の人々は、食い物にされるしか無いのでしょうか?
      「除染」など出来るはずがありません。
      「減染」が精一杯。
      それも、水源となる山々が汚染されているので、効果はきわめて限定的です。

      5000万円/haなんて、農地に一万円札敷き詰めているようなものじゃないですか。

      この国の政府は、現実をしっかり把握して正しい対応をしないと、湯水のように税金をどぶの中に捨ててしまう事になります。
      この悪習を正さないと、財政再建など夢のまた夢です。

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  3. 明治維新なるマヤカシの政権交代以来 この国の官僚は3度? 徳政令を施行してますね。
    学習能力の高い人達です。彼らは・・・・。
    何れ 徳政令なんでしょうね。ドジョウをあんなにおだて持ち上げたのに消費税を認めなかった国民が悪い! (あるいは消費税を上げても、あんたらの福祉に使ったから国の財政は好転しなかった!等)の言い訳と云うかシナリオは書き上がっていると。他にもユーロの所為でなんて言い訳もあるかも知れないね。 何れにしても税金と言うなのザル財布なんでしょうね。どうしたもんか? 税金を払わんと弊害があるしねええ・・・。とにもかくにも・・・・。因みに、農地除染の推進者集団は、東大農学部農業土木の連中ですわ。 アホ集団だわね。

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    1. 本当に困ったものです。

      農地の除染を訓窮しているのは、教えて頂いた情報から調べてみると、この人達のようです。
      東京大学大学院農学生命科学研究科
      農学国際専攻 溝口勝
      農地と森林除染の新たな試み
      http://www.iai.ga.a.u-tokyo.ac.jp/mizo/edrp/fukushima/fsoil/mizo120314.pdf

      当人達の学術的知見の充実のためには良い事なのでしょうが、それに巻き込まれる住人にとってはどうなんでしょうか?

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