2012年3月31日土曜日

瓦礫と広域処理と経費。何のための税金か!


ここに、一つの報告書があります。
公益法人・財団法人日本環境衛生センターより、2011年 11 月に発表されたものです。
ここは、その活動内容より環境省とも繋がりが非常に強い会社です。
また、産業廃棄物処理のプロフェッショナルと言う事で、政府の仕事に協力しています。

東日本大震災で発生した災害廃棄物の広域処理に関する一考察(第一報)
―費用と処理期間の低減効果―
http://www.jesc.or.jp/info/report/report01.pdf
宮城県内処理シナリオでは、すべての災害廃棄物の処理完了期間は8年であり、長期に
わたる結果となった。
廃棄物種類ごとにみると、不燃物の安定型と管理型の最終処分に要する期間はそれぞれ
8年と6年、可燃物の焼却処理に要する期間は4年、木くずの再資源化・焼却処理の期間
は8年となった。
 宮城県の災害廃棄物を宮城県・福島県内で処理するシナリオでは、処理完了期間は4年
と推計された。廃棄物種類ごとにみると、不燃物の安定型最終処分は2年、不燃物の管理
型最終処分は3年、可燃物の焼却処理は2年、木くずの再資源化処理・焼却処理は4年と
なった。宮城県内における災害廃棄物全体の約 44%が同県内で処理され、残りの約 56%が
福島県内で処理される結果となった。
対象処理施設を東日本に広げると、1年以内に処理が終了すると推計された。
宮城県内における災害廃棄物全体の約 18%が同県内で処理され、県外への移動は、北海
道、青森県、秋田県、山形県、新潟県、群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、東京都、千葉
県の対象地域全体に及んだ。
一方、総処理費用は、宮城県内処理シナリオが 885 億円(1t当たり平均 1.1 万円)で
あるのに対し、宮城県・福島県内処理シナリオは 1,113 億円(1t当たり平均 1.4 万円)、東日本処理シナリオは 1,476 憶円(1t当たり平均 1.9 万円)となり、それぞれ宮城県内処理シナリオの約 1.3 倍、約 1.7 倍となった。
各シナリオの総処理費用の内訳(処理費と輸送費)を図 15 に示す。広域処理は、処理の
効率化による処理速度と処理費の低減という観点からは効果的である半面、輸送費による
処理費用の全体的なかさ上げにつながることに留意すべきである。


この報告から、3つの点を指摘しなければいけません。

1)宮城県内だけの処理でも、最長8年で処理出来る。
木屑の再処理を除けば、4年で終わる。

2)基本的な処理費用は、宮城県で880億円程度である。
災害廃棄物の量が岩手県で 4.5 百万t、宮城県で 16.7 百万t、福島県で 4.0 百万t程度であることを考えると、総計しても1330億円程にしかならない


3)広域処理をする事で、輸送費が飛躍的に跳ね上がる。
東日本だけの簡単なシミュレーションでも、2倍近くになる。
グラフを見ると、輸送費の50億円が700億円に跳ね上がり、総費用の半分にものぼってしまいます。
このシミュレーションでは、直線で距離を計算しているので、実際の道路の道のりに直すと2倍近くの距離になるでしょう。だとすると、輸送費は倍になり、総費用の3/4にもなってしまいます。
更に、東日本だけでなく全日本に拡大すると、輸送費は距離に比例するので輸送費は3倍くらいは掛かると見積もられます。そうなると、広域瓦礫処理事業では90%は輸送費と言う事になり、もう何にお金を使っているか分からなくなります。

ここに、平成23年度第3次補正予算(案)についての資料があります。
災害廃棄物の処理の促進の項目だけで、3,985億円もの予算が計上されています。

更に、平成24年度の予算で追加されている金額は、次のページにあります。
平成24年度環境省予算(案)主要新規事項等の概要
http://www.env.go.jp/guide/budget/h24/h24-gaiyo-2.html
災害廃棄物の迅速な処理等の推進として、3,656億円の予算が計上されています。

この2つの予算を足すと7,641億円もの額になってしまいます。
しかも、この予算は、被災地の復興の中で「単に瓦礫を片付けるだけ」なのです。

この膨大な予算は、瓦礫の広域処理を前提にして組まれています。
瓦礫の日本全体での広域処理などと言う物は、実際には何にお金を使っているのか分からない様な愚策でしかありません。
税と保障の一体改革を進めている野田政権にとって、まず身を切る改革が求められています。
災害復興だとしても無制限に予算を使っていいと言うわけではありません。

2012年3月24日土曜日

写真と事実と真実と。瓦礫広域処理の欺瞞に満ちた報道。

前回の投稿【震災とメディアと洗脳。広域瓦礫処理と広告にみる札束作戦。】へ、ありがたいレスポンス頂きました。

そこで、海外の記事が紹介されていました。

What a comeback! Eleven months after the tsunami ravaged Japan, a series of pictures reveals the incredible progress being made to clear up the devastation
(何という復興でしょう! 一連の写真は、津波が日本を破壊した11か月後に、荒廃を片付ける作業の信じられない進捗を明らかにします。)
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2099811/Eleven-months-tsunami-earthquake-ravaged-Japan-new-pictures-incredible-progress-multi-billion-pound-clear-up.html


家は、大船渡(岩手)の津波に打たれたエリアのこの主要道路の一方の側を砕きました。しかし、進行中の努力は残骸を取り除きました。また、引き下ろされている一方の側の最寄りのホームにもかかわらず、他の建物の多くは救い出されました。
3月に、杉本Yukoは、石巻の津波に打たれた町の残骸の前で、毛布に包まれて彼女の息子を捜す状態で撮影されました。
以下に、同じ主婦は、同じ場所で5歳の彼女の息子Raitoと立っています。

瓦礫:宮城の気仙沼の倒壊した建物および瓦礫は、この角を通り抜けられなくしました。
しかしその、印象深いほど速い清掃作業は、同じ角を交通にアクセス可能にしました。

積み上げ:津波の後に仙台で管制塔の前に自動車が積み上げられていたが、その後全く片付けられました。

宮城県多賀城の光景、復興作業の前と後
岩手県陸前高田のすべての変化、2011年3月22日に見られたものと2012年1月15日
再建:自動車および飛行機までもが、名取(宮城)の仙台空港を雑然とふさぎました、しかし強力な清掃作業により、空港は再開されています。
残っている仕事:昨年3月には救助隊員は南三陸(宮城)の津波打撃エリアの瓦礫を通り抜けます。今、そのエリアは大部分は片付けられましたが、タイヤとガスボンベはそれ以来そこに捨てられています。
岩手県陸前高田の掃除前と後の写真
福島県南相馬、津波に打たれたエリアの昨年3月およびこの1月
気仙沼の都市部は、先月には清掃が完了されたように見られます。
丘から、今年1月14日に気仙沼の都市および同じエリアを見下ろしています。
混乱:宮城県石巻。この通りの中に打ち上げられたボート、引き下げられた鉄塔と建物、
破壊する必要のある左側のカメラに最も近い建物、他のすべての建物が修理されました。
日常への回帰:宮城県石巻。ボートが打ち上げられて誰でも道を使用するのを妨げた道路が、一年未満で自動車はこの橋を通って行き来できます。

大規模なプロジェクト:仙台近くの名取のような多くのエリア、それらから無限に見える残骸を取り除く大規模な作業が求められた。
3月に、4人が陸前高田、岩手のエリアに歩いています。瓦礫によって荒廃した後をどこから始めるのかさえ分から無い状態。しかし、地域全体で11ヶ月後、中心にちょうど交差点を残して清掃されました。

宮城県多賀城で道路は残骸を取り除かれ、驚くべき変化を見せています。


これに対して、別の写真もあります。

環境庁の「広域瓦礫処理推進サイト」で配布されている「災害廃棄物の広域処理に関するチラシ [PDF 1,201KB]」は、こんな写真です。

これらの写真は、どちらもCGではありません。

政府は、広域瓦礫処理を進める為に、最初にあげた様な被災地の片付けられ空き地が広がった写真や映像を全く出していません。
あたかも、未だに被災地が瓦礫に埋まっているかの様な報道です。

もちろん、大きな災害ですので沢山の瓦礫が出ている事は事実です。
真実は、瓦礫は既に一次仮置き場に移動が済んでおり、被災地は広大な空き地が広がっていると言う事です。
政府の行動の遅れから復興事業が進んでいないのです。

あとはいくらか時間がかかっても現地で処理を行うべきなのです。

最後に、ひたすら広域瓦礫処理を進めるこのHPを紹介しておきましょう。
このHPは、「政党助成金」と言う名の国民の税金で作られています。
自民党の「ガレキ処理特措置法」として銀立法で成立させています。

この法律によって、被災地自治体は瓦礫処理の負担を全くする必要が無くなりました。
被災自治体が、只でさえ過疎地帯である事を考えると仕方の無い措置です。
ちなみに、阪神・淡路大震災の場合は50%が自治体負担でした。

しかし、これにより『瓦礫処理にいくらでも金をかけられる』状態が出来てしまいました。
それにより、「広域瓦礫処理と言う無駄遣いの温床」が育まれたのです。

『処理の費用は国が負担します』
これは国民の税金から出ると言う事です。
決して只で出来ると言う事ではありません!
国民の血税を私(わたくし)している奢りから出た言葉に他ありません!

既に、20兆円にものぼる復興財源を使い果たそうとしています。
復興国債をいくらでも発行出来る様な日本の財政状態ではない事は、多くの人がご存知でしょう。
その国債は、これから25年にわたって増税で還していかなければいけないのです。
放射性廃棄物の拡散問題だけでなく、この様な理由からも「広域がれき処理」は止めなければ行けません。




2012年3月20日火曜日

震災とメディアと洗脳。広域瓦礫処理と広告にみる札束作戦。

政府の瓦礫処理に対する無茶な行動は、ヒートアップするばかりです。
本当に、行政も政府も与野党も「広域瓦礫処理に身命をかけている」としか見えません。

広域瓦礫処理は、被災地での瓦礫処理が進まなかった時のための手段の選択肢の一つでしかなく、その瓦礫処理も被災地の復興のための1ステップでしかありません。
それを、「広域瓦礫処理が被災地の復興の全てだ!」とする風潮に眉をしかめているのは私だけではないでしょうし、なにより被災地の方が一番戸惑っていると思います。

結果として、行政と地域住民の対立は被災地と全国各地との対立に転化されてしまい、日本国民全体を不幸にしてしまいます。

前回のエントリー【震災と瓦礫と広域処理。その隠されていた事実】には大きな反響を頂きました。なかでも、こちらのお返事には有り難く思いました。

(引用開始)
匿名Mar 11, 2012 10:31 PMさん。あなたも現地を見ていないで言ってますよね?
現地はすでに片付いていますよ。
海側に積み上げられているのです。
がれき処理が復興を遅らせてるわけではないです。
復興のマスタープランが政府から出されてないのです。現地をどういう形で街作りをするのか?これがない。
がれき処理ばかりで、何も出てこないのですよ。

そもそも、がれき処理の広域処理というのは20%ですよ。がれき処理が復興を遅らせてるというのなら、100%やらなければならないはずですね。
実際には、海側に積み上げてるのだからがれき焼却など現地の判断に任せれば、雇用も生まれるのですよ。3800億円ですから、38万人に一人100万円が行くのです。
1.復興のためには街作りプランが必要。
2.がれき処理は、雇用を産むための応援に現地に行けばいい。
各地に焼却炉が余っているのだから分解して、現地へ運べばいいのです。

ボランティアが無償で片付けたがれきに、自治体が、3800億円の利権に群がるのですか?
(引用終わり)

現地の復興のマスタープランについては、被災地の復興の一番重要な問題ですので、エントリーを改めて書こうと思います。

こう言う意見が広がって来たからか、広域瓦礫処理の理由として、現地の人にとって瓦礫が見える事は心のケアに良くないと言う浪花節戦略も使われて来ています。
しかし、瓦礫を受け入れる地方自治体に反対する人の心のケアは、Noisy Minorityとして、無視するどころか被災地の事を考えないエゴイスティックな人達とネガティブキャンペーンをしています。
全くのダブルスタンダードです。


更なる瓦礫広域処理に対する広報予算

前回取り上げた見開きカラーの新聞広告や、広域瓦礫処理のためのwebサイトに多くの国家予算が使われている事は書きましたが、環境省は広域瓦礫処理の広告に更なる税金をつぎ込むようです。

環境省>お知らせ>調達情報>企画競争公示一覧(請負業務)より
平成24年度東日本大震災に係る災害廃棄物の広域処理に関する広報業務 平成24年3月5日 掲示
http://www.env.go.jp/kanbo/chotatsu/kikaku1/h240305c.html
「平成24年度東日本大震災に係る災害廃棄物の広域処理に関する広報業務に係る企画書募集要領」に基づき、提出された企画書等について審査を行い、契約候補者として1者を選定する。
企画競争説明書より抜粋すると…
2 業務内容
  本業務の内容は、別添「平成24年度東日本大震災に係る災害廃棄物の広域処理に関する広報業務に係る業務の概要及び企画書作成事項」のとおりとする。

3 予算額
  業務の予算総額は、1,500,000千円(消費税及び地方消費税額を含む。)以内とする。

企画書審査委員会の構成
 委員長   環境省大臣官房政策評価広報課長
 委員      NPO 法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長
             地方公共団体
             環境省大臣官房政策評価広報課広報室室長
             環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課長

2 業務の実施方法
2.1 メディアを使用した広報に係る事項
・提案された媒体が適切であること。

平成24年度東日本大震災に係る災害廃棄物の広域処理に関する広報業務の概要及び企画書作成事項
仕様書(骨子)
2 企画競争方式を適用する理由
平成 23 年3月 11 日の東日本大震災により岩手県、宮城県で発生した膨大な災害廃棄物の広域処理を推進することが課題となっており、広域処理の必要性及び緊急性について、広く国民の理解を得ることが不可欠である。
このため、災害廃棄物の広域処理に係る各種基準等の策定状況や国民の意識動向などを踏まえ、どのような情報提供を行うことが最も有効であるかを様々な観点から調査し、それらを総合的に検討して戦略的に普及・啓発業務を実施することを目的とする。

と言うわけで、広域処理を推進する事を目的に更に15億円が注ぎ込まれます。
課題が「膨大な災害廃棄物の広域処理を推進すること」であり、被災地の復興をする事より優先するようです。
また、「提案された媒体が適切であること」が必要ですから、媒体として採用される為に、メディアは常日頃の言動が勘案される事でしょう。
新聞・TVは、この広告を取る為には普段から報道内容に気をつけるように、「広告局」の様な所から通達が出たりするのかも知れません。


そして、これと全く同じ事がもう一つ行われています。

平成24年度東日本大震災に係る除染等に関する広報業務 平成24年3月5日 掲示
http://www.env.go.jp/kanbo/chotatsu/kikaku1/h240305c.html
「平成24年度東日本大震災に係る除染等に関する広報業務に係る企画書募集要領」に基づき、提出された企画書等について審査を行い、契約候補者として1者を選定する。


企画競争説明書より抜粋すると…
2 業務内容
 本業務の内容は、別添「平成24年度東日本大震災に係る除染等に関する広報業務に係る業務の概要及び企画書作成事項」のとおりとする。
3 予算額
  業務の予算総額は、1,500,000千円(消費税及び地方消費税額を含む。)以内とする。


企画書審査委員会の構成
 委員長     環境省大臣官房政策評価広報課長
 委員        NPO 法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長
               福島県生活環境部除染対策課
               環境省水・大気環境局総務課長
               環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課長

2 業務の実施方法
2.1【除染】メディアを使用した広報に係る事項
・提案された媒体が適切であること。

これも、15億円もの税金が全く同様に使われます。
お役所仕事なので、変更が必要な箇所以外は殆ど同じ書類です。


この2件で、合計30億円もの税金が単なる広告に使われる事になります。
全く、盛大な無駄遣いとしか言いようがありません。


企画審査人事に垣間見える、環境省と政治家の繋がり

ここで、どちらの事業も審査委員筆頭に「NPO 法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長」が入っている事が、奇異に感じられます。
初めて聞く団体名です。HPはこちらhttp://www.genki-net.jp/です。
環境省資源エネルギー庁(放射性廃棄物ワークショップ 共に語ろう 電気のごみ)にリンクがありそれに関係するような活動をしていますが、15億円もの事業を審査する程の団体にはとても見えません。
また、審査委員としては、この団体の理事長個人が指定されているのです。
理事長は崎田 裕子氏。この人がなぜ環境省の広報企画事業の選定委員に選ばれたのでしょうか?

彼女のTwitterアカウント@yukosakitaがありました。
唯一フォローしているアカウントがこれです。
環境ビジネスウィメン@ebwomen
2004年、当時の小池百合子環境大臣が、環境ビジネスを起業又は企業の中で担当するビジネスウーマンを集め、環境政策提言を求める懇談会を開催。その後、歴代環境大臣に受継がれ現在、メンバーは40人。自主活動を通じて、環境を良くすることで経済を発展させ、経済の活性化が環境を改善する「環境と経済の好循環」の実現を目指しています。
東京都 · http://www.herb.or.jp/


環境省と崎田 裕子氏の繋がりが見えて来ました。
崎田 裕子氏は、環境ビジネスウィメンの創立時からのメンバーなのです。
環境ビジネスウィメンは現在も社団法人として存在しており、顧問をなんと自由民主党小池百合子議員がつとめています。

2012年3月1日木曜日には崎田 裕子氏と小池百合子議員が同席した放送が
環境ビジネスウィメン.TV 第40回『ゲストに小池百合子顧問を迎えて』
として、環境ビジネスウィメンのサイトでUSTREAMを使い放送されています。(録画放送を観る事が出来ます)
お二人は、非常に仲が良い事が伺われる放送です。
10:00 頃、「環境省は今は予算が異常にあるけれど…」
25:00 頃から登場。
50:00 くらいから廃棄物処理関係の話に触れています。

この自民党の小池百合子議員は、第5代から第7代迄の環境大臣なのです。

第1次小泉内閣 2003年9月22日 - 2003年11月19日
第2次小泉内閣 2003年11月19日 -2005年9月21日 (環境ビジネスウィメン開催)
第3次小泉内閣 2005年9月21日 -2006年9月26日

その後、女性で初めての、防衛大臣や自由民主党の党三役である総務会長を歴任した大物議員です。

これは偶然の事でしょうか?
野党である自由民主党と官僚機構は、今でもがっちりと繋がっているのです。

現在、日本の財政は非常に苦しい物になっています。
そんな状態でも、この様な無駄な予算がまかり通るのです。
環境省が、これほど金回りがよく資金が豊富で、次から次にキャンペーンを打てる理由が理解出来そうです。

2012年3月11日日曜日

震災と瓦礫と広域処理。その隠されていた事実

2012/02/29の国会での党首討論の冒頭、自民党の谷垣総裁は被災地の瓦礫広域処理を、民主党の野田総理大臣に強く迫りました。民主党野田総裁もそれを受けて了承しました。

2012/03/08、環境省は全国紙に置いて見開き全面カラー広告と言う、まさに税金の無駄使い(3億とも言われている)の広告費を使っています。これを見ると、被災地全体が瓦礫に埋まっている様な印象を与えます。


この広告を見ると、次の写真の湾岸戦争に対する国際世論をミスリードした油に塗れた海鳥の写真を思い起こさせます。この写真は、湾岸戦争とは全く関係のないものでした。


放射能拡散の危険性も指摘される中、なぜこのように政治主導で強引に広域瓦礫処理を押し進めようとするのでしょうか?

2012/03/07の衆議院内閣委員会で小泉進次郎議員(自民)は、瓦礫処理と受け入れにて、下の動画で見られるように信じられない発言までしています。

彼は、瓦礫の広域処理に反対する人々を Noisy minority(一部のうるさい人々) とまで言い切っています。(05:50"辺り)
また、瓦礫の受け入れの権限が瓦礫処理施設の存在する地区にある事を、立法処置により制限し、国による強権的行動をする事も迫っています。(14:00"辺り)

なぜ、ここまで政府も野党も官僚も瓦礫の広域処理に拘るのでしょうか?

考えなければいけない問題は2つあります。
1) 本当に、瓦礫処理が震災復興の足かせになっているのか?
2) なぜ、瓦礫の広域処理に拘るのか?
この2点について考えてみましょう。


1) 瓦礫処理が、本当に震災復興の足かせになっているのか?

朝日新聞デジタル マイタウン 岩手に次の様な特集があります。
復興に向けて 首長に聞く
大震災から1年。暮らしを、まちを、どう立て直すのか。各首長に聞く。

2012年02月29日
http://mytown.asahi.com/iwate/news.php?k_id=03000001202290001
【伊達勝身・岩泉町長】
現場からは納得できないことが多々ある。がれき処理もそうだ。あと2年で片付けるという政府の公約が危ぶまれているというが、無理して早く片付けなくてはいけないんだろうか。山にしておいて10年、20年かけて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する。
もともと使ってない土地がいっぱいあり、処理されなくても困らないのに、税金を青天井に使って全国に運び出す必要がどこにあるのか。

2012年03月07日
http://mytown.asahi.com/iwate/news.php?k_id=03000001203070001
【小田祐士・野田村長】
例えば、この高台移転事業は、建築制限をかけるエリアが対象だ。今回は津波による浸水エリアが広いため、家族を亡くし、高台移転を希望しながら対象にならない被災者がいる。同じように対応して欲しい。
宅地のかさ上げは、制度を調べていくと、村単独の事業になってしまう。とても財政的に持たない。新たな制度を設けるか、もっと制度の要件を緩和してもらわないと。

2012年03月09日
http://mytown.asahi.com/iwate/news.php?k_id=03000001203090003
【水上信宏・洋野町長】
水産施設の復旧も進んでいる。町営の魚市場は3月いっぱいで建物が完成する。五つある漁協も新年度には本格復旧に着手する。12ある水産加工場の従業員はこれまで95%が職場復帰した。いち早く操業再開を決断してくれた経営者に感謝している。

【山内隆文・久慈市長】
市の防災計画は、建設中の湾口防波堤を前提にしている。つまり、何よりも優先して湾口防波堤の完成が急がれるということだ。
 予算総額1200億円。計画延長3800メートルのうち完成したのは920メートル。2028年度の完成を目指すのに、09年度以降、予算が半分から3分の1に減らされている。予算ベースでいけば工期が2、3倍かかる。とんでもない話だ。
再生可能エネルギーの事業化や総合防災施設も「緊急性がない」と判断された。まちづくりには、パッケージが必要かもしれないが、できることは前倒しでやってほしい。計画を進めることで集団移転も促進できる。

被災地の本当の話を知るべし! 陸前高田市長が見た「規制」という名のバカの壁とは?
日刊サイゾー 
戸羽市長(以下、戸羽) その繰り返しに尽きますね。たとえば、がれきの処理というのは復興へ向けた最重要課題のひとつなわけですが、現行の処理場のキャパシティー(受け入れ能力)を考えれば、すべてのがれきが片付くまでに3年はかかると言われています。そこで、陸前高田市内にがれき処理専門のプラントを作れば、自分たちの判断で今の何倍ものスピードで処理ができると考え、そのことを県に相談したら、門前払いのような形で断られました。

道新Web (03/02 18:53)
宮城県知事、「査定庁」と批判 復興交付金の圧縮で
村井知事は、津波浸水域での県道整備などが実質的にゼロ回答だったとして「前に進もうとしているのに、国が後ろから袖を引っ張っている」と強い不満を表明。手続きの煩雑化も指摘し「これなら復興交付金をなくして、(元の制度の)国庫補助事業にしたほうがいい」と述べた。

また、東京新聞にはこのような記事もある。


震災がれき広域処理は問題の山 環境総合研・池田副所長に聞く
東京新聞 2012年2月15日
・被災地に何度も足を運んでいるが『がれきがあるから復興が進まない』と言う話は聞かない


なぜガレキ処理が進まないか:宮城の産廃業者の話
http://togetter.com/li/260734
なぜガレキ処理が進まないのか。広域処理を各自治体が拒んでいるからなのか? それとも他に理由があるのか。
宮城の産廃業者の話をツイートしたものを収録しました。
ガレキ処理能力のないゼネコンが事業を引き受けている、自治体担当者がガレキ処理の法律に明るくない、など数々の問題が浮かんできています。


瓦礫処理が、復興事業の根本的な足かせになっているとは言えません。
また、広域処理される瓦礫について考えてみます。

次の記事に、岩手県の瓦礫の内訳を書いてあります。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120304_6
本県がれき処理、13年度完了厳しく 広域処理が滞る
岩手日報 (2012/03/04)
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本県は2014年3月末までに、推計総量435万トン(海のがれきを除く)に上るがれきの全量処理を掲げる。ただ、放射性物質に対する不安から県外での広域処理が滞り、処理済み量は11年度目標の69万トンに対し現状37万トン、年度末でも約50万トンにとどまる見通し。残された期間は2年のみで広域処理拡大に向けた国のリーダーシップも問われている。
 県資源循環推進課によると、435万トンは県内の一般廃棄物年間排出量の10年分以上に当たる。木材と可燃物、不燃物計125万トンは県内で処理するが、処分しきれない57万トンは広域処理を求める。このほか、土砂など170万トンは路盤材などに再利用、73万トンの金属くずは売却する。畳9500トンや漁網など7万トンは県内で焼却や埋却を検討する。
 生活圏域のがれきはほぼ全量を仮置き場に撤去。1月には宮古、山田、大槌の3市町に破砕・選別プラントを設け大量処理に必要な設備を整えた。宮古、釜石両市の仮設焼却炉が近く本稼働し、大船渡市の太平洋セメント大船渡工場は今夏から日量千トンの処理に乗り出す見込み。内陸処理も盛岡・紫波地区環境施設組合など6団体が協力、近く八幡平市など3団体が加わる見通しだ。
 一方で、広域処理は山形県と東京都の受け入れにとどまる。静岡県島田市が2月に山田町のがれきを試験焼却し、今月には埼玉県と八戸市、5月には秋田県が試験を予定するなど新たな動きもあるが、受け入れを検討しているのは神奈川県や大阪府などを加えた8府県市のみ。地方自治体間の交渉や住民説明だけでは現状打開は困難な情勢だ。
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推計総量435万トンの瓦礫には、一般廃棄物も産業廃棄物も土砂も金属くずも含んだ数字です。これに対して、現在の処理が5%程度だと言っているのです。数字のマジックでしかありません。
再利用する土砂の170万トン、売却する金属くずは73万トン、合計すると243万トンあります。これを引くと、処理しなければいけない瓦礫は192万トンになる。
この量なら、岩手県内の一般廃棄物年間排出量の5年分にしかならない。
2014年3月末までに処理を終える事を前提にしているが、その根拠は何なのだろうか?
全国で広域処理をするためにつぎ込む予算を、現地での処理施設の増設・拡充に充てれば済む事ではないでしょうか?

実際、NHKのドキュメンタリー番組でも地元自治体の震災復興の遅れに対する難問として、被災自治体でのマンパワーの不足・複雑すぎる事務処理に対する悲鳴・申請した復興事業に対する認可率の低さ(60%程度)・地元住民の高台移転に対するコンセンサスの遅れが指摘されていました。(2012/03/10)

これらの問題が、瓦礫の広域処理で解決する問題とは思えません。


2) なぜ瓦礫の広域処理に拘るのか?


この点を調べていくと、瓦礫の広域処理事業自体が以前から災害のたびに進められてきていて、この事業を核に瓦礫処理業者の再編が行われている事が分かってきました。

今まで瓦礫処理は公共事業でやられているものと思っていましたが、現在ではPFI/PPP (Private Finance Initiative)という民間との共同でやられています。

これを進めているのが、財団法人日本環境衛生センターです。(環境省所管特例民法法人)
これが、PFI/PPP 推進協議会の資料です。
この資料の
(2)既公募案件の事業概要
の中の「アドバイザー」の項目を見ると、パシフィックコンサルタンツ株式会社の名前が多く並んでいます。

この資料から、静岡県でも何カ所かの処理場が作られている事が分かります。
静岡県御殿場市・小山町広域行政組
静岡県長泉町
静岡県浜松市
このアドバイザーが全て パシフィックコンサルタンツ株式会社。

この会社、 2011/05/12の段階で、次の様な意見を出しています。
「災害廃棄物処理にどう臨むか」の記事が環境新聞に掲載されました
東日本大震災 災害廃棄物処理にどう臨むか 
1 面的な災害 広域連携が重要  (環境新聞2011年4月20日
2 指示・ 命令系統を強化すべき (環境新聞2011年4月27日
災害廃棄物処理にどう臨むか 命令系統の明確化が不可欠 (環境新聞2009年4月8日)

このパシフィックコンサルタンツ株式会社(PACIFIC CONSULTANTS CO.,LTD.)が、またうさんくさい会社です(wikipediaより)

2008年以降、国内・国外での相次ぐ不正・不祥事が発覚した。国内担当のパシフィックコンサルタンツ株式会社は、独立行政法人緑資源機構に絡む談合で公正取引委員会から課徴金を課せられたほか、海外部門の株式会社パシフィックコンサルタンツインターナショナルは、ベトナム政府高官に対する収賄・我が国の内閣府への詐欺を行い東京地検から告訴され、いずれも東京地裁で有罪判決後、同社は控訴せず刑が確定。
株式会社パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)は、事業を同業のACKグループに譲渡し、解散する見込み。

この会社が属しているのが、国土開発研究機構です。

国土総合研究機構
  • 会資本のあり方並びに良質な社会資本形成に向けた技術面の共同研究 
  • 建設コンサルタントの新たな市場開拓と社会的地位の向上に関する提言 
  • 構成企業及び建設コンサルタントの経営基盤の強化 
を達成するために、(株)建設技術研究所、日本工営(株)、パシフィックコンサルタンツ(株)の三社により設立された組織です。

この国土総合研究機構の推進するのが「PMC」と言う方式。
★「震災復興に向けたPMCの提案」 [2011.11.14]
建設コンサルタントとして震災復興事業の円滑な推進を担うべく、壊滅的な打撃を受けた被災自治体等に対してPMC(プロジェクト・マネジメント・コンサルティング)を活用した総合的な事業執行手法の導入を提案しました。

PMCとは、「プロジェクトの目的を達成するために、発注者の代行として主体的に、専門的技術をベースにプロジェクトの企画・構想・計画から事業完成・維持運営まで、工期・品質・コスト等の主要項目とその他必要項目の監理・調整を行うコンサルティング」です。

要するに、地方自治体にアドバイスの形で協力しながら、成り代わって業務を代行する方式です。岩手県のコンサルタントがパシフィックコンサルタンツ(株)でした。

また、環境省は全国産業廃棄物連合会を通じて、全国の産廃物処理業者を統合しています。
公益社団法人 全国産業廃棄物連合会
ここで、既に今回の震災が起こる前から震災瓦礫の広域処理が取り決められていました。
災害廃棄物処理支援

大量に発生した災害廃棄物を迅速かつ適正に処理するためには、産業廃棄物処理業界の果たすべき役割は非常に大きいと考えられます。そこで、連合会では、平成16年に「災害廃棄物処理体制構築マニュアル」を作成し、自治体が実施する災害廃棄物処理の支援に向け、各都道府県協会が事前に構築すべき体制整備の内容を中心にとりまとめ、支援体制の構築に向けて取り組んでまいりました。その結果、各協会においては、阪神・淡路大震災以降、約30の災害において廃棄物処理支援を行ったほか、39の協会が地元自治体と支援協定を締結するに至りました。(平成21年1月調査時点)
さらに、自治体支援時の留意事項、災害時における協会・連合会の役割等といった、平常時に整備した体制を災害時に円滑に推進するための検討を進め、その内容を「産業廃棄物業界における災害廃棄物処理支援の手引き」としてこの度とりまとめました。
災害廃棄物処理支援という広く公益性を持った事業の推進に向けて、業界全体を上げて引き続き取り組んで参ります。

災害廃棄物処理支援の手引き

この連合会に於いて、環境省から全国の産廃物処理業者に向けて放射性汚染物質対処特措法についての説明会が既に開かれています。
1月1日に全面施行された放射性物質汚染対処特措法について、産業廃棄物処理業者向け説明会を開催します。開催日は1月23日(仙台会場)、1月24日30日(東京会場)、1月26日(福島会場)です。【環境省産業廃棄物課】

これらの、財団法人日本環境衛生センター・公益社団法人 全国産業廃棄物連合会
環境省は、全国の産廃業者に瓦礫の広域処理を任せる事を前提に動いているのです。

この2点から、環境省は「今回の震災の復興が進んでおらず、その原因が震災瓦礫の処理が進まない」として震災瓦礫の広域処理を打ち出したのではなく、「以前から全国の産業廃棄物処理業者と取り決めていた」から震災瓦礫の広域処理を押し進めている事が分かります。

ですので、放射性物質の分布が明らかになる前から広域処理を打ち出しています。
震災瓦礫に放射性物質がついているかどうかは、お構いなしなのです。

野田政権が現在、税と保障の一体改革として消費税の追加を進めているのはご存知でしょう。いくら震災復興のためとはいえ、無駄な税金を無制限につぎ込むわけにはいかない事は明らかです。

意味も根拠も無い震災瓦礫の広域処理は、行う必要はありません。
被災地において、より効率的で効果的な震災復興を押し進めて、本当に被災地の人々のためになる政策を進めなければいけません。